[PR]今日のニュースは
「Infoseek モバイル」

2006.10.5(木)  東京新聞 WEBより

弁護側冒頭陳述要旨

小嶋元社長の初公判

 マンション販売会社ヒューザーの元社長小嶋進被告の弁護側冒頭陳述の要旨は次の通り。

 【弁護人の主張】

 被告は無実にして無罪である。被告に対するいわれなき嫌疑は直ちに晴らされ、無罪放免されなければならない。本件は国策捜査であり、政治的な目的の下に訴追裁量権を大きく逸脱して公訴を提起して違法であり、直ちに棄却されなければならない。

 【事件の本質】

 耐震強度偽装事件は起きるべくして起きた事件であり、その責任は国土交通省など行政にある。イーホームズ(イー社)など民間の指定確認検査機関だけでなく、地方自治体の建築主事でさえ偽装を見落とした。

 今回の事件は民間検査機関という誤った制度の導入によるもので、責任が行政にあることは明らかである。

 【意図的な捜査】

 検察は被告の単独犯行による詐欺事件としてでっち上げ、行政の責任をあいまいにして、事件の本質を隠ぺいしようとしている。

 【詐欺罪は不成立】

 2005年10月25日から27日かけてイー社からは、既に完成し検査済み証が発行されている物件については姉歯秀次元建築士が改ざんしたとの言及は一切されず、被告はグランドステージ(GS)藤沢の構造計算書が虚偽であると認識できなかった。

 27日のイー社との会合の前、被告はヒューザー設計部長が作成したメモをざっと見ただけであり、GS藤沢についての認識はない。

 GS藤沢の入金があった10月28日以降、被告がヒューザー資産を不当に流出させ、隠匿した事実は認められない。被告は10月27日、事実関係が明らかになるまでの間、全物件をいったん売り止めするよう指示している。

 多額の費用を投じて構造設計事務所に対し、姉歯物件の耐震強度の調査を依頼するとともに、耐震補強や免震によって建物の安全性を確保する方法の検討を依頼するなど、責任を全うするための種々の方法を模索していた。

 GS藤沢の購入者は10月28日の引き渡しを前提に住居を売却したり、引っ越しの準備をしており、売買契約上の信義則からして検査済み証も発行されている物件の引き渡しを拒むことはできなかった。被告は売り主の義務を全うしようと考え、10月27日午後、引き渡しを了承した。

 ヒューザーの財務内容からすれば、購入者をだましてまで約4億円を入金してもらう業務上の必要はなかった。むしろ物件の引き渡しをすることによってヒューザーは建設費について金融機関の借入金約7億円を返済しなければならず、資金繰り的にはかえってマイナスになる。

(2006105)

小嶋元社長が無罪主張

耐震偽装認識と検察側

 耐震強度偽装事件で、約4億円の詐欺罪に問われたマンション販売会社ヒューザー(東京、破産手続き中)の元社長小嶋進被告(53)の初公判が5日、東京地裁(毛利晴光裁判長)で開かれ、小嶋被告は「このような犯罪を行ったことは一切ない」と無罪を主張した。

 また「建物の安全性に問題あるとは聞いていない。マンション購入者をだますつもりはなく、民事、道義的責任にとどまる。ただ被害者の方にはあらためておわびする」と意見陳述した。

 冒頭陳述で検察側は、小嶋被告が元1級建築士姉歯秀次被告(49)=建築基準法違反罪などで公判中=による耐震偽装を知りながら、マンションの代金を詐取した経緯を詳述。弁護側は「行政の責任をあいまいにするための国策捜査で、政治的な起訴だ」として公訴棄却を求めた。全面対決の公判は偽装の認識が最大の争点となる。

 検察側冒頭陳述によると、小嶋被告は昨年10月25日、ヒューザーのマンション設計を元請けしている会社の役員から「姉歯被告が構造計算を改ざんしていた」と打ち明けられ「おれは知らなかったことにした方がいいな。口外しないようにしよう」と話した。

 一方で、ヒューザーの設計部長に姉歯被告の事務所で改ざん状況を調査させ、同27日までに神奈川県藤沢市のマンション「グランドステージ(GS)藤沢」の構造計算書も偽造されたことを把握し、耐震強度不足を認識。GS藤沢の建築確認を出した民間の確認検査機関イーホームズ(東京)側には「地震で建物が倒壊したときに調査し、発覚したことにしてほしい」と求めた。

 ヒューザーの取締役は同28日のGS藤沢引き渡しについて相談したが「問題ない」と答え、同日、11人に耐震強度不足を告げず、代金計約4億1400万円を振り込ませたという。

 これに対し弁護側は「事件の原因は民間検査機関という誤った制度を導入した国土交通省にある」などと主張した。

(2006105

 

検察側冒陳要旨

小嶋元社長の初公判

 東京地裁で5日開かれたマンション販売会社ヒューザーの元社長小嶋進被告の初公判で、検察側が読み上げた冒頭陳述の要旨は次の通り。

 【犯行に至る経緯】

 小嶋被告は2004年4月、元1級建築士姉歯秀次被告の事務所に、グランドステージ(GS)藤沢の構造設計を発注することを決裁。姉歯被告は、地震力を小さく設定するなどして内容虚偽の構造計算書を作成した。

 指定確認検査機関イーホームズ(イー社)は改ざんを見過ごし建築確認を行い、木村建設が施工。GS藤沢の引き渡し日は05年10月28日に決まり、顧客11人らに同日午前までに残代金を振り込むよう請求した。

 イー社は同年10月21日、(ヒューザーが建築主の)別のマンションで姉歯被告の計算書に改ざんがあることを指摘され、同月24−25日、ヒューザー側に伝えた。25日午後4時ごろまでには、GS藤沢を含む11物件の改ざんが判明した。

 【犯行状況】

 小嶋被告は25日夕、ヒューザーのマンション設計を元請けしている会社の役員から「大きな地震がくればヒューザーのマンションは倒れる恐れがある」と改ざんの説明を受け、「うちのマンションが真っ先に倒れるのか。そんな大きな問題とは思わなかったな。物件購入者に言わなきゃいけないかな。待てよ、やっぱりおれは知らなかったことにした方がいいな。極力、口外しないようにしよう」と応答した。

 26日には、ゴルフ場で部下から電話で、姉歯被告が計算書を改ざんしていたGS藤沢を含む7物件の報告を受け、ゴルフの同伴者に「藤沢の担当も姉歯なんだ」と話した。27日、イー社との会合でGS藤沢を含む11物件で改ざんの調査結果を告げられ、姉歯被告も「震度6の地震で建物が保つか分からない」と発言した。

 小嶋被告は26日、引き渡しについて尋ねる部下に「検査済み証も下りているし、問題ない、問題ない」と回答。27日のイー社との会合で「地震で建物が倒壊したときに発覚したことにしてもらいたい」と公表を思いとどまるよう要求。

 会合終了後には、「解約しないといけないかな」と部下に尋ねたが「インターネット社会だからすぐに広まってしまう。当社は立ちゆかなくなる」と返答され、「そうだよな」などと答え、顧客からの代金入金を阻止せず、引き渡し中止をしないことを決定した。

 引き渡し当日の28日午前、部下にGS藤沢の新規販売中止を指示したが、引き渡しについては「それはいいんだ」と話した。GS藤沢を含め入居済みの7物件で、購入者から買い戻しを行った場合、約50億円の債務超過に陥り、買い戻しは財務上不可能だった。

(2006105)