159国会建築基準法改正審議録 参議院先議
159国会参議院国土交通委員会議事録
第159回国会 国土交通委員会 第14号 平成十六年五月十一日(火曜日) 午後一時開会
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委員の異動
四月二十八日 五月十一日
辞任 補欠選任 辞任 補欠選任
加治屋義人君 上野 公成君 佐藤 雄平君 榛葉賀津也君
松山 政司君 木村 仁君
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出席者は左のとおり。
委員長 輿石 東君
理 事 岩城 光英君 鈴木 政二君 池口 修次君 大江 康弘君 森本 晃司君
委 員 沓掛 哲男君 佐藤 泰三君 斉藤 滋宣君 鶴保 庸介君 藤野 公孝君
榛葉賀津也君 藤井 俊男君 大沢 辰美君 富樫 練三君
国務大臣
国土交通大臣 石原 伸晃君
副大臣
国土交通副大臣 林 幹雄君 佐藤 泰三君
大臣政務官
国土交通大臣政務官 斉藤 滋宣君 鶴保 庸介君
事務局側
常任委員会専門員 伊原江太郎君
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本日の会議に付した案件
○建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○ 不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出)
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○委員長(輿石東君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
本日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君が選任されました。
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○委員長(輿石東君) 建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
政府から順次趣旨説明を聴取いたします。石原国土交通大臣。
○ 国務大臣(石原伸晃君) ただいま議題となりました建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
まず、建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
我が国の国民の生活や経済を支えている建築物は、新規建設中心の時代からストック再生の時代を迎えております。
しかしながら、建築物の安全性と市街地の防災機能に着目いたしますと、平成七年の阪神・淡路大震災において多数の尊い命が奪われたほか、昨年の宮城県北部地震においても大きな被害が発生するなど、地震や火災に対する安全性が十分確保されているとは言えない状況にあります。
今後の大規模地震に備えた安全で安心できるまちづくりの実現には、既存建築物に対する制度面の充実強化等が緊急に必要となっております。
このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、劣化の進行を放置すれば地震により崩壊する危険性が高いなど、危険又は有害となるおそれのある既存不適格建築物に対して、建築行政を所管する特定行政庁が、勧告・是正命令を行うことができることとするほか、建築物の適正な維持保全を図るため、報告・検査制度を充実強化することとしております。
第二に、既存不適格建築物について順次改修を進めていくことなどを可能とするための、建築規制の合理化を行うこととしております。
第三に、災害が起きた場合等に多数の生命にかかわる建築基準に違反している建築物について、是正命令に従わない場合の法人重課を最高一億円とするなど、罰金の大幅な引上げを行うこととしております。
その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
次に、不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
今日、不動産市場の構造変化に伴い、不動産の取引や投資に当たっては、リスクを考慮し、利便性・収益性といった利用価値に見合った価格を見極める必要性が高まっています。
この法律案は、このような状況を踏まえ、不動産取引の円滑化及び適正な地価の形成に資する観点から、地価公示の対象区域を見直すとともに、不動産鑑定士等が、不動産の鑑定評価の専門家に期待される役割を将来にわたって的確に果たしていくことができるよう、不動産鑑定評価制度を充実しようとするものであります。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、地価公示について、現行の都市計画区域内に加えて、都市計画区域外の土地取引が相当程度見込まれる区域をその対象とすることができることとしております。
第二に、不動産鑑定士等の業務に関して、不動産の鑑定評価のみならず、不動産鑑定士等が、その名称を用いて、不動産の取引や投資に関する相談に応じる業務等についても、その適正な遂行を確保するため、守秘義務、監督等が及ぶよう措置することとしております。
第三に、不動産鑑定士の資格取得制度について、その資質の向上を図ると同時に資格を目指す者のすそ野を広げる観点から、全体としては簡素合理化を図りつつ、実務能力の修得課程を充実させることとしております。
その他所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案を提案する理由です。
これらの法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○委員長(輿石東君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
両案に対する質疑は後日に譲ることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。 午後一時五分散会
第159回国会 国土交通委員会 第15号 平成十六年五月十三日(木曜日) 午前十時開会
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委員の異動
五月十二日 五月十三日
辞任 補欠選任 辞任 補欠選任
榛葉賀津也君 佐藤 雄平君 佐藤 雄平君 岩本 司君
森本 晃司君 山口那津男君
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出席者は左のとおり。
委員長 輿石 東君
理 事 岩城 光英君 鈴木 政二君 池口 修次君 大江 康弘君
委 員 上野 公成君 沓掛 哲男君 佐藤 泰三君 斉藤 滋宣君 田村 公平君
鶴保 庸介君 藤野 公孝君 松谷蒼一郎君 岩本 司君 北澤 俊美君
藤井 俊男君 山下八洲夫君 弘友 和夫君 山口那津男君 大沢 辰美君
富樫 練三君
国務大臣
国土交通大臣 石原 伸晃君
副大臣
国土交通副大臣 林 幹雄君 佐藤 泰三君
大臣政務官
国土交通大臣政務官 斉藤 滋宣君 鶴保 庸介君
事務局側
常任委員会専門員 伊原江太郎君
政府参考人
内閣府政策統括官 尾見 博武君
国土交通省土地・水資源局長 伊藤 鎭樹君
国土交通省都市・地域整備局長 竹歳 誠君
国土交通省住宅局長 松野 仁君
環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長 南川 秀樹君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出)
○高速道路株式会社法案(内閣提出、衆議院送付)
○独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構法案(内閣提出、衆議院送付)
○日本道路公団等の民営化に伴う道路関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○日本道路公団等民営化関係法施行法案(内閣提出、衆議院送付)
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○委員長(輿石東君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
昨日、榛葉賀津也君が委員を辞任され、その補欠として佐藤雄平君が選任されました。
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○委員長(輿石東君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に内閣府政策統括官尾見博武君、国土交通省土地・水資源局長伊藤鎭樹君、国土交通省都市・地域整備局長竹歳誠君、国土交通省住宅局長松野仁君及び環境大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長南川秀樹君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(輿石東君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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○ 委員長(輿石東君) 建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○藤井俊男君 おはようございます。民主党・新緑風会の藤井俊男でございます。
昨日の大手新聞報道のトップ記事に石原大臣の顔写真入りで大きく報道されましたので、私はびっくりしまして、驚いたわけでありますけれども、それはそれといたしまして、同僚議員が質問を予定をするということでございますから、私は法案についてのみ御質問をさせていただきたいと存じます。
まず、改正案の目的と期待される効果について伺いたいと存じます。
これは、昨日ではないんですけれども、一昨日の大臣の提案理由説明によりますと、今回の建築基準法等の改正案は建築物の安全性と市街地の防災機能の確保などを図るものとのことでありますけれども、この改正案は具体的にどのようなことを目的としているのか、そして法改正によりどのような効果が見込まれているのか、まず最初にお聞かせを賜りたい。これは大臣からお願いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 建物の安全性を調べてみますと、住宅でおよそ大体四千四百万戸のうち、昭和五十六年の耐震基準をクリアしていないものが三割に当たる千四百万戸、さらにオフィスビルの三百四十万戸のうち四割程度の百二十万棟が震災等々に耐え得る耐震基準を満たしておりません。また、防火・避難基準を満たさない三階建て以上の建物も十万戸ある。このような状態をこのまま放置いたしますと、平成七年の阪神・淡路の大震災規模の地震が発生いたしますとまた大きな被害が発生が予想されるわけでございます。
今の建築基準法では、既存不適格建築物を増改築をする際に建物全体を一遍に基準に適合させなければならないとなっておりますが、このことがかえって、部分的に、増改築の部分は耐震構造のものに変えていこうという耐震性、防火性の向上を遅らせる結果になっている面も私は否定できないんだと思います。
このため、今回の改正案では、五年程度の期間内に建築物の一部から順次基準に適合させる工事のやり方を認める、まあある意味では私、これが合理的だと思うんですけれども、こういうことで既存建築物の耐震性、防火性を確保していくと考えております。
また一方、危険のおそれのございます既存不適格建築物に対しましても、行政庁が改修の勧告や命令を行える制度というものも新しく併せて行いまして、既存建築物全体の安全性の向上を今回の改正案によりまして図ってまいりたいと考えております。
○ 藤井俊男君 ただいま大臣から目的、効果等を御説明賜りましたけれども、既存不適格建築物は、住宅で一千四百万戸あると、非住宅建築物で百二十万棟存在すると。さらには、防火・避難基準についても、既存不適格の可能性がある建築物は十万棟もあるということが今お話ありましたけれども、そこで、こうした状況を見た場合、既存建築物の安全・衛生面の性能の確保を早急にやはり促進する必要があると思うんです。簡易、安易な診断、改修手法の開発普及、補助、そしてまた融資、税制等の新制度の拡充が求められておりますので、この辺の現状と課題について、今後の対応等を含めてお聞かせを賜ればと思います。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
既存建築物の現状でございますが、特に耐震基準につきましての既存不適格、大臣からも御答弁申し上げましたが、全住宅四千四百万戸のうち約三割、千四百万戸が既存不適格、それから非住宅建築物三百四十万棟のうち四割が、百二十万棟が不適格であるというふうな推計がございます。
現行のこの既存不適格建築物制度は、規制強化されたときは既に存在するわけですから、改めてすぐに改修しろということではなくて、新基準への適合をすぐに、即座に求めるというわけではないわけですが、ただし、増改築等を行う場合は即座にすべての最新の法令基準に適合させてもらうという大変今厳しい原則で参りました。しかしながら、これからストックの有効活用を図っていくという必要がございます。即座にすべての最新基準への適合を求めるという現行ルールのためにかえって増改築が先送りされるというようなケースも出る、そういう弊害も生じております。結果として、問題のある既存建築物が残ってしまうということがございました。
したがいまして、今回の改正案によりましては、放置すれば著しく危険又は有害となるおそれがある既存不適格建築物に対して予防的に特定行政庁が勧告し、これに従わなかった場合には是正命令を行うことができる制度を創設する、あるいは、既存不適格建築物の増改築等を行いますときに、全体計画に基づいて段階的な改修をすることができる制度、あるいは部分的な遡及適用の導入といった一定ルールの合理化を図っていくということを内容とする改正を行いたいということでございます。またあわせて、融資、税制等のバックアップでこうした増改築等を促進していくということも考えてまいりたいと思います。
○藤井俊男君 住宅局長からストックの関係で既存建築物の関係が説明されましたけれども、ここで私は、耐震診断や耐震改修が重要であると思っておりますので、その一方で、悪質な業者がおりまして、詐欺まがいの商法で高額の料金を取って不適切な対応をするケースもあるとお聞きをいたしております。
こういった中で、高齢者を始めとした住宅所有者等はどこに相談したらよいのか、あるいは耐震診断、耐震改修経費としてどの程度の費用が妥当なものなのかよく分からない状況もあると言ってもよろしいと思います。さらに、現行の相談窓口もワンストップですべて対応できるとは言えない実情ではないかと思います。
そこで、既存建築物の安全・衛生面の性能確保のために、地域に住宅所有者等が安心して手軽に利用できる総合的な相談体制、整備していく必要があると思いますが、この辺については住宅局長、どうお考えになっているか、お聞かせ賜りたい。
○政府参考人(松野仁君) ただいま御指摘いただきましたとおり、耐震診断あるいは耐震改修についての住宅所有者からの相談に対応するということは大変大事なことだと思います。
国土交通省におきましては、阪神・淡路大震災を受けまして、公共団体等に対しまして、耐震診断あるいは改修に関する相談窓口を設置する、あるいは技術者の育成、工務店等の関係団体と連携いたしました促進体制の整備ということを平成七年に既に通知しております。これを受けまして、現在すべての都道府県におきまして相談窓口が開設されております。その相談窓口がどういうところかということにつきまして、国土交通省のホームページでも公表させていただいております。また、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づきまして設けられました住宅紛争処理支援センターにおきましても、住宅に関する相談業務をやっております。ここにおきましても耐震補強に関する相談を受け付けているところでございます。今後とも、こうした相談に対する対応の強化を進めてまいりたいと考えております。
○藤井俊男君 相談の関係は是非もっと充実をしていただきたいと思っております。
そこで、住宅ストックの耐震化を促進するために、住宅リフォームということで、耐震化についてお聞かせを賜れたらと思うんですが、まだ私は国の関係ではPRが不十分だろうと思っております。
例えば、テレビなんかでは非常に住宅リフォームの番組は人気が高いようでございまして、それを私どももたまに見ておるんですが、非常に部屋を明るくする採光の関係だとか、あと壁面を、窓ガラスの関係もこういうふうにやったらいいだとか、そう見ますと、今度は柱を取ってしまうような状況もテレビなんかで見ておるんですけれども、そうしますと耐震性、これ大丈夫なのかな、こんな気もするわけでございますが、テレビ等ではやられておるときは、建築士等の中からそういうふうなリフォームの関係もやられているんだとは思うんですけれども、この辺の関係ですね。
是非、リフォームについても耐震の関係も必要じゃないかと私は思っておりますので、リフォーム時には耐震改修を組み合わせて行うことが重要という点で、もっともっと住宅リフォームについても国土交通省として取り組む必要、またPRする必要があるのかな、こんな気がしますので、これは大臣はいつも環境立国の関係で大分PRしているようではございますけれども、特にこの住宅リフォームについてはPRする考えを、あればお聞かせを賜れればと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま藤井委員が御指摘されましたように、窓を広げたり太陽の光を多く、屋根のところを直したりしてというようなリフォームの番組等々を私も見たことがございますが、その一方で、耐震改修のリフォームというものは目に見えて生活の利便性が向上するわけでもございませんので、なかなか実態としては手が付けられていない。また、住み替えを予定している方々は、新しい家に行けば、今度、耐震構造五十六年度規制をクリアした新しいところに行けばいいやと、こういうことがあると思います。しかし、委員が御指摘されましたように、耐震性のリフォームということの重要性というものをもっともっとPRしていかなければならないということを、今、委員の意見の御開陳を聞かせていただきまして強く感じたわけでございます。
そしてまた、リフォームの番組がテレビで放映されるように、リフォームの需要というものはここに来て格段高まっている。建築業者の他分野への進出、建設業者のですね、中では、リフォームというようなものを挙げる会社がかなりあったことにも見られますように、そんな中で、耐震改修を進めていく上で効果的な施策でリフォームというものがあるということをもっともっと多く宣伝していかなければならないと痛感しているところでもございます。
インターネットやパンフレットを使って国土交通省としても努めておりますが、これからもいろいろな機会をとらえまして、快適性とは直接関係いたしませんけれども、安心、安全、藤井委員が意見の御開陳の前の御質問の中で御指摘されたような観点をしっかりとPRさせていただきたいと考えております。
○藤井俊男君 是非、PRの方もよろしくお願いしたいと思います。
次に、中間検査、完了検査の徹底と違反建築物対策について伺いたいと存じます。
私の地元、埼玉県では、埼玉県建築物安全安心実施計画を策定しております。工事の監理、中間検査、完了検査の徹底や違反建築物の是正に取り組んでおります。これを見ますと、完了検査率の年次目標、これが平成十年度で約三〇%だったんですが、全県で、平成十三年度では約四八%になっております。そして、平成十六年度の実施率の最終目標値をおおむね八〇%にしておりますね。中間検査率の年次目標でございますけれども、これにつきましては平成十三年度の中間検査率は全県で約六四%、平成十六年度の実施率の最終目標値は一〇〇%に設定をいたしまして中間検査の推進を図っておりますけれども、こうした取組はやはり各地でも行われていると思います。
完了検査、中間検査の実施率は全国で現在どのぐらいになっているのかということでお聞かせを賜りたいと思います。今後ともその向上に向けて一層の取組が私は望まれますので、その取組方についてもお聞かせを賜れればと思います。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
中間検査、完了検査の徹底を含みます違反建築物対策というのは、これは大変重要でございます。
こうした認識の下に、平成十一年に当時の建設省が建築物の安全安心推進計画というものを、全国的に音頭を取りまして、各都道府県でその計画を立てていただきまして、この中間検査あるいは完了検査の徹底を図るということをやってまいりました。十三年度までの三か年計画ということで徹底を図ってまいりました。さらに、十四年度以降はその第二次安全安心実施計画というものを各都道府県に作成をしていただくということをやってまいりました。完了検査実施率の年次別の数値目標を立てていただいて取り組んでいただいているということでございます。
これの結果としてかなりの効果が出てきております。例えば、中間検査につきましては現在八九%、全国平均でございますが、約九割になってきております。これはその以前の十一年度と比べますと、十一年度が七〇%程度でございましたので、かなり上がっている。それから、完了検査も三八%程度であったのが一気に六八%まで上がってくるという、相当の効果を発揮してきております。
今後、更にこの推進を進めていっていただきたいと考えておりますが、今回の法改正もございますので、これを契機として都道府県あるいはその他の特定行政庁にその検査の徹底を含みます違反対策を更に進めていただくように積極的に要請してまいりたいと考えております。
○藤井俊男君 中間検査で八九%、完了検査で六八%にも達してきたということでございまして、着実にこれら徹底方を進んでいるのかなと思っておりますので、更にやはりこの取組を是非目標値に沿って実施するよう要望しておきたいと思います。
次に、完了検査のようなフロー対策の充実とともに、社会資本整備審議会の答申では、ストック対策として、違反建築物については強力に違反是正を進めるべきとしております。改正案では罰金の大幅引上げなどを盛り込んでいるようでありますけれども、これ以外に改正案では違反是正のためどのように取り組んでいくのか。建築基準法は天下のざる法と言う人もおりますけれども、一部でそういうふうに言われる場合もありますけれども、違反是正の実効性についてどのように担保していかれようとしているのか、お聞かせを賜りたいと思います。
また、歌舞伎町で先般発生した雑居ビル火災等もありますね。踏まえれば、消防の関係やらあるいは警察の関係、非常に縦割り行政になっておるんではないかと。これは消防の方だよ、こっちは警察の方だよ、あるいはこっちは国土交通省だよと、こういうことがあの場合もいろんな意味で雑居ビル火災でも現れましたね。ですから、こういう一層の連携をやっぱり図っていく必要が求められておりますので、この現状と今後の対応についてお聞かせを賜れればと思います。
○政府参考人(松野仁君) 違反是正対策、大変重要なことでございますが、今回の改正案におきましても、違反事実の調査を行いますために特定行政庁による立入検査を認めていくという監督権限の強化を行いますとともに、多数の者が利用いたします建築物が耐震性あるいは防火性と命にかかわるような違反があるという場合の是正命令に対する違反、これは法人罰として最高一億円まで引き上げるということで違反是正を徹底させることとしております。
また、御指摘のございましたように、縦割りではないかというようなことも御指摘いただいております。警察あるいは消防機関と建築部局の連携というのは大変重要な課題でございます。
お話がございましたように、平成十三年九月に新宿歌舞伎町におきまして雑居ビル火災がございました。大変痛ましい火災事故でございましたが、平成十四年には直ちに警察、消防と連携をいたしまして、違反是正に関して必要な事項を示しました連携の仕方を含んだ既存建築物に係る違反是正作業マニュアルを作成いたしまして公共団体に示してまいりました。また、特定行政庁におきまして、既存建築物に係る違反対策推進計画を警察、消防と連携をしていただいてこの取組をしてきていただいているところでございます。この結果として、これまで全都道府県におきまして警察、消防部局との連携体制が整備されてきております。既存建築物に係る違反対策推進計画も策定されまして、いろんな取組がなされてきております。
国土交通省といたしましても、この法改正を契機として、更にこの連携強化を図り、違反是正対策を図ってまいりたいと思っております。
○藤井俊男君 十四年に会議をやられて、消防部局あるいは警察と連携を取る中でマニュアルを策定したということでありますので、大いにこれらの地方自治体、今、連携の関係はやはりもっともっと充実をしていかないと、縦割り行政だけでは私はいかぬと思いますので、是非、結果はいい結果に出ておるということでありますから更に取組をお願いしたいと思います。
次に、危険、有害となるおそれがある既存不適格建築物に対する命令制度について伺いたいと思うんですが、今回の改正案について具体的にお聞きしておきますけれども、まず、今回の改正案では何か非常に、不特定多数の人が利用する既存不適格建築物のうち、損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、又は著しく衛生上有害となるおそれがあると認められるものに対しては、保安上又は衛生上必要な措置を取ることを勧告することができるとしているということで、著しく危険又は有害であると認めるもの、あるいは著しく危険又は有害となるおそれのあると認められるもの、どうも分かりづらいことに、表現になっておるんですけれども、基準の違い等につきまして具体的な例を挙げてお聞かせを賜れればと思います。
○政府参考人(松野仁君) 現在の建築基準法では、建築基準法第十条というのがございます。既存不適格建築物に対しまして特定行政庁が、著しく保安上危険であり、又は著しく衛生上有害であると認める場合に、当該建築物の所有者等に対して除却、使用禁止等の命令ができるということになっております。したがいまして、その現在の十条だけですと、もう見た目にも今にも壊れそうだ、崩れ落ちそうだというようなそういう状態でなければ命令が出せないというようなことでございます。そこまで至るまでに何とかできないのか、予防的な措置が取れないのかというのが今回の趣旨の一つでございます。
このために、劇場、店舗、ホテル、病院、共同住宅など多数の者が利用する建築物を対象に、現行の是正命令のほかに、に加えて、放置すれば著しく危険又は有害となるおそれがあるという既存不適格建築物に対しまして予防的に改修あるいは使用中止の勧告を行うことができるということでございます。これに従わなかった場合には是正命令を行うことができる制度も併せて創設するということでございます。
お尋ねの、放置すれば著しく危険となるおそれというのは、じゃどういうことなのかということでございますが、これは例えばということでございますが、昭和四十年代以前に建築され、当時の基準からすると鉄筋の量が少ない、あるいは柱とか壁のバランスが悪いという、そういう鉄筋コンクリート造の建築物につきまして、見た目にも柱等にひび割れがある、そこから鉄筋が見えるけれどもさびが生じていると、このまま劣化が進みますと中規模程度の、震度五強程度の地震で倒壊するおそれがあるんではないかと、こういったケースについて勧告をしていくというようなイメージでこれから具体の基準を考えていきたいというふうに思っております。
○ 藤井俊男君 この崩壊するおそれがあるといって見た目で、損傷、腐食、もう劣化が進んでいると、今にも倒れそうな状況にあると。そしてまた、反面、危険を、また有害とするおそれ、こういうふうにもう、どういう基準というのを、なかなかちょっと私もイメージ分からないんですけれども、基準がね。そのときに、やっぱりこれは何といってもお金の関係でやはり一つはあると思うんですよね。お金が、財政上、幾ら基準の関係もあっても、これを勧告したってそれも是正できない。この辺についてはどう思うんですかね、住宅局長さん。
○ 政府参考人(松野仁君) 資金的な問題というお尋ねでございましょうか。
○ 藤井俊男君 ええ。
○政府参考人(松野仁君) 資金的な問題。はい。
これにつきましては、例えば共同住宅につきまして、これは耐震改修が必要だという勧告をしなければいけないというようなことが生じた場合には、共同住宅の耐震化診断とか改修の補助制度が用意してございます。そういったものを活用していただく、あるいはそれ以外にも融資制度、公庫の融資制度とか、そういったものを活用していただくというような、そういった手だてで資金的な問題は解決していただかなきゃいけないんだろうというふうに思います。そういった様々な方策と今回の法律とで併せて進めていきたいというふうに考えております。
○藤井俊男君 次に、同じような損傷の程度の建築物がありまして、放置されていたと。特定行政庁であるA市では勧告もしたし命令もした、B市では勧告はしたが命令はしない、C市では勧告もしないというような事態は好ましくないと考えられますね。そのような事態にならないように法案は書いてありますけれども、漠然とした基準になっているように思うんですね、これが。
ですから、どのような場合にどのような勧告、命令を出すのか、やはり客観的、具体的な勧告基準、命令基準を定めて、これを地方公共団体に示すべきだと思いますけれども、この辺についてはどうですかね。
○政府参考人(松野仁君) 確かに、御指摘のとおり、勧告あるいはそれに基づく命令制度を導入するわけですが、現場の特定行政庁で余りにもばらばらであるということでは困るということで、バランスの取れた運用がなされますように、特定行政庁の意見も聞きながら、法の施行までに勧告、命令の目安を示すガイドラインを整備していくつもりでございます。
これにつきましては、例えば、そもそも判断するときの方法論がございまして、耐震性、防火性に対する危険性の判断方法はどうか。あるいは、ひび割れ、さび等の劣化の状況を見てどう判断すべきかというマニュアルのようなもの。それから、古い建築物ですから図面がないケースが相当あると思います。そのときに、じゃ、どういう現況の調査をすればいいかといった、こういった様々な観点のマニュアルを含んだガイドラインを示して、その中で、例えば先ほど申しましたような鉄筋の量がどうも少ないとか、あるいは柱、壁のバランスが悪い、現にひび割れが生じて、鉄筋のさびの度合いも、さっき申し上げましたようなガイドラインの中での基準に照らして問題だというものに勧告をしていただくと、こういった手はずになるように考えていくつもりでございます。
○ 藤井俊男君 地方公共団体にこの目安、ガイドラインの関係、マニュアルを作成して方法論を打ち出すということでありますけれども、これはもう用意はされたんですか。
○ 政府参考人(松野仁君) 今申し上げましたガイドラインについてでございましょうか。
○ 藤井俊男君 ええ。
○ 政府参考人(松野仁君) ガイドラインにつきましては、今後、法律の施行までに、特定行政庁の現場の人たちの意見も聞きまして策定をしてまいりたいというふうに考えております。
○藤井俊男君 よろしくひとつお願いしたいと思います。
次に、不特定多数の人が利用する建築物の定期報告制度についてお伺いします。
現在、定期報告の対象となる建築物の数は二十八万五千棟ございます。この私どもの調査室からのを見ますとなっておりますが、これらについて、建築物の用途、構造、延べ面積に応じて六か月から三年の間隔で特定行政庁が定める時期に報告しなければならないことになっておりますね。
そういう中で、平成十四年度で五六・六%と報告率が非常に低く、特に観光立国の重要性が言われる中で旅館とかホテルの報告率ですね、これにつきましては三九・八%、非常に低い状況になっております。特にまた、地下街等においては四〇・二%ですね。合計で五六・六%ということでございますので、建築物が多数存在している状況は、地下街だとかあるいは旅館、ホテル等、非常に問題になっております。
そこで、今回の法改正によって定期報告制度の報告率が改善されるのかどうか、こういう低い状況下でございますので、この辺について、実施内容の充実等も含めてお聞かせを賜ればと思います。
○政府参考人(松野仁君) 定期報告制度、これも建築物の維持管理上大変重要でございます。しかしながら、定期報告制度に関する建築物の所有者の方々の認識がまだ十分でないということもございます。今御説明になりましたとおり、平均で五五%程度という定期報告率でございます。
これを今後引き上げていきたいというふうに考えておりますが、そもそも、今までの制度では定期報告が一向に出てこない建築物、これは一体どうなっているんだと。例えば、新宿歌舞伎町のあのビルでありますと、定期報告が出てこない、外から見てもどうも非常用進入口がふさがれているのではないかというようなことがあったのではないかと思いますが、その立入検査ができなかったということですね。つまり、今にも崩れ落ちそうな状態になっているようなものでないと立入検査ができなかった。今回、そういった定期報告が一向に出てこないで一体どうなっているんだろうという場合も立入検査ができる制度を導入いたします。そういったことで中を見ることができる。
それから、そもそも定期報告台帳を閲覧の対象に、定期報告があるのかどうかということを閲覧の対象にして、言わば、例えばテナントとしてこのビルに入ろうと思っている方がこのビルの維持管理状況はどうなのかということを見るときに、それを閲覧することができるという制度も創設したいと、今回の法改正で創設したいと考えております。そうすれば、建築物のオーナーの方々も意識が変わってくると、インセンティブが与えられるということになろうかと思います。
そういった様々の制度を併せてこの定期報告率を向上させて、建物の維持管理の向上ということで安全性を確保してまいりたいというふうに考えております。
○藤井俊男君 是非、定期報告制度については充実方、特に要望しておきたいと思います。
また、社会資本整備審議会の答申では、建築物の利用者が定期報告が適切に行われているのかについてチェックできる仕組みの整備や、建築物ストックの維持管理状況等の情報開示の在り方の検討の必要性が言われております。
国土交通省として具体的にどのように取組をする気なのか。例えば、今後、マル適マークやハートビル法のシンボルマークのようなものを決定して普及、周知徹底を図ることも必要じゃないかと、こんな気もしますので、この辺についてはどうお考えですか。
○政府参考人(松野仁君) ただいまお話ございましたとおり、社会資本整備審議会の答申の中でも、建築物ストックの維持管理状況等に関する情報開示の在り方ということで答申がなされたところでございます。
これを受けまして、今回の法改正で、先ほど御説明いたしましたが、定期報告の実施状況を第三者が閲覧できるという制度を創設するということにしております。
もう一つ、お話のございましたマル適マークのようなマーク、これを作ったらどうかというお話でございます。
これにつきましては、実は、全国の地方公共団体が連携をいたしまして、平成十四年十一月にマークを作成をしております。そのマークが公開されておりまして、こうしたマークを張っていただくということと併せて、第三者が閲覧できる情報開示と併せて、こうした建築物の安全性の確保を図ってまいりたいと考えております。
○藤井俊男君 これは、マークは作成しておるんですね。──ああそうですか。後ほど私もこれを見たいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
特例容積率適用地区について伺いたいと思います。
これは大臣にお聞かせを賜りたいと思うんですが、改正案では、商業地域に適用されている現行の特例容積率適用区域を廃止して、そして新たに特例容積率適用地区を創設すると。区域から今度は地区になるということでありますけれども、この特例容積率適用地区では、従来の商業地域に加えて、低層住居専用地域や工業専用地域を除く他の地域で容積率の移転が幅広く可能になることになりますね。
そこでお伺いするわけでございますけれども、特例容積率適用地区が導入されることによって建物の高層化が拡大することから、のっぽビル等のばら建ちが出たり、あるいは地下室マンションのように近隣紛争が発生する懸念はないのかどうか、この辺が心配をいたしますので、まずこれをお聞かせを賜り、また特例容積率適用地区の導入に当たって、良好な町並み景観がこののっぽビル等で阻害されるおそれがありますので、地域住民の意見を十分に反映すべきということで、しばしば私はマンションの紛争等で、トラブル、日照権の問題だとかあるいは環境阻害だとかプライバシーだとか、いろいろ紛争の解決に向けても、こちらへ来てほしいということで要請を受けることがあるんですけれども、この辺について、大臣の率直な、地域住民に対する意見の取組方等お聞かせを賜れればと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま藤井委員が御指摘されました点は私も非常に重要なことだと思っております。今回、特例容積率適用地区と改めさせていただくわけですけれども、そのことによりまして、委員が御懸念されるようなのっぽビルとか、良好な町並み景観というものが壊されることがあってはならないと思います。
そこで、今回のこの地区は都市計画で定めるとさせていただいているところでございます。都市計画でございますので、そのためには地元の公聴会の開催や公告縦覧といったような都市計画の手続によって、委員が御指摘されましたような地域住民の意見を反映できる仕組みにさせていただいております。
さらに、特例容積率適用地区の指定の際には、例えば用途地域を指定するといった都市計画とは違いまして、委員が御指摘されました、どのような容積の移転が行われるかについてその具体的なイメージを持って、どういうものがどう移るのかということを行います。そのため、ああこうなるんだなということを住民の皆さん方が分かりますので、具体的な意見が求めやすく、住民の皆さん方が公聴会等々で言われるわけですから、その意見が反映しやすくなるものと考えております。
また、委員が一番冒頭におっしゃったそののっぽビルですね。こういうものは非常に重要でございますので、必要な場合には高さ制限を定めることも可能となっております。
容積を移転する際には、地方公共団体が居住環境上の支障がない範囲で容積の率の指定を行います。地方公共団体でございますので、地元の皆さん方との距離が近くなっておりますので、それに合わせて容積が移転されても、これまでと同じような高さ制限や日影規制は通常どおり適用されると思います。
こういうことを積み重ねまして、御懸念のようなことが起こらないような地方公共団体による制度運営が行われるよう、しっかりと監視をしてまいりたいと思っております。
○藤井俊男君 ひとつよろしくお願いしたいと思います。
そこで、改正案では、既存不適格建築物について段階的に改修を進めていくことが可能とするようになっておりますね。全体計画や予定計画の中で、実際に経済的な面もあろうかと思いますので、一期工事やって二期工事はやらないと。確信的な、これは犯罪的なあれで、やらない、一方的にもうやるケースもあるんじゃないかと思われますので、全体計画の達成が一定期間内に確実にやはり行われるよう、この辺の取組も必要ではないかと思うんですが、この辺についてはどうですか。
○政府参考人(松野仁君) 既存不適格建築物の改修を段階的に実施すると。従来は即座にすべて適用していただくということでございましたが、これを合理化をいたしまして、段階的な改修で対応していただくことができるようにするということでございますが、ただしこれは、全体計画を出していただいて、それを認定をして、どういう順番でどういう内容の工事をするということを特定行政庁が認定をいたします。
これを確実に実施していただくための担保措置として、特定行政庁は全体計画に沿ってちゃんと認定どおり工事が行われているかどうか報告を求めることができるという仕組みにしてございます。もし全体計画に沿って工事が行われていないという場合には必要な措置を取るということを命令することもできます。命令にもし違反しますと認定を取り消すということもあるわけです。
それから、その場合に、必要に応じて、これは違反建築物にその認定を取り消した段階ではなりますので、是正命令の対象になるということでございまして、そういった場合にはそうした是正命令まであり得るという制度にしてございまして、確実に行っていただく制度にしてあるということでございます。
○藤井俊男君 分かりました。
次に、地下室マンションについてお伺いしたいと思います。
地下室マンションの紛争が各地で起きておりますね。いろいろ見ますと、これは、日本は山紫水明に優れているところでございますから、そういった斜面をうまく利用してやられているんだと思うんでしょうけれども、一九九七年に、平成六年に、建築基準法の改正によりまして住宅の地下部分の容積率を緩和したことによって、表から見ると三階建てのビルだと、向こうから見ると、反対の方ですね、逆に今度、地下の方を六階も下掘って、それで全体的には九階建てになっていると。いや、これは何だと、どうなっているんだということで紛争が続発しているということでございまして、自治体も規制条例で対抗しているということが大きく報道されているわけであります。
横浜市も鎌倉市もその他の地域も、川崎の方も出ておるということでありますけれども、今回のこの、今回はこちらか、容積率を緩和したことによって全国各地で地下室マンションに関する紛争、この辺について国土交通省としてはどう取り組まれておるのか、また、これについてはどう見解を持っているのか、お聞かせを賜りたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) ただいま御指摘の地下室マンションでございますが、平成六年の建築基準法改正がございました。
そのときに、防音性あるいは断熱性を生かした地下室の活用、あるいはゆとりある都市住宅の供給ということで、例えば地下室で日曜大工ができるような部屋が作れる、あるいは倉庫が作れる、あるいはピアノの騒音を気にしないで練習ができるとか、様々な使い方ができるという意味で地下室の整備ができるような制度を創設したということでございますが、五年ほど前から、横浜、川崎などの大都市で低層住宅地のいわゆる斜面地、斜面地に盛土をして地盤面をかさ上げし、地下の部分を増やすというような極端な形で住宅地下室のこの容積不算入措置を利用するというマンションが建設されまして、斜面の下側から見ますと、今お話がありましたように、あたかも中高層建築物のように見える、そういう外観となっているということで、住環境の悪化を招くとして紛争に至っている例も見られてきたところでございます。
このような状況を踏まえまして、今回、この建築基準法の改正の中で、地下室部分の容積率の制限を可能とするように、地方公共団体の条例で、通常の地盤面の設定とは別にこの不算入措置の適用する際の地盤面、これを敷地の低い位置に定めることもできるということで、容積率不算入の対象となる地下室の範囲を条例で制限できるという制度も盛り込みまして、こうした問題への対応が可能なような法改正を盛り込んでいるところでございます。
○藤井俊男君 私の時間が五十分ということでありますが、同僚の池口議員が五十分ということで、私ども民主党百分いただいておりますので、若干時間延長してきておりますけれども、お許しを賜りたい。委員長、お願いいたします。
そこで、平成六年から十六年ということで、十年間に地下室マンション、全国でどのぐらい建設されたのか。また、今回の法改正で今後住民紛争は鎮静化するかどうか、この辺については住宅局長どうお考えになるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) 先ほど申し上げましたとおり、平成六年の建築基準法改正で、この地下室の容積率の不算入措置というのが講じられました。
この制度を利用して建設されましたマンションの数、実数については、これはなかなか把握は難しいわけでございますが、平成十年、十二年、十四年の三年間での斜面地マンションに係る紛争につきまして、東京都それから十三政令市を対象に実施した調査がございます。この期間内のこれらの地域全体で建築確認が約三十七万件ございました。この中で、斜面地マンションが原因で紛争等に至ったケースが二十一件ということでございまして、そのうち、横浜市のものが全体の八割、残りは、東京都二件、川崎市一件ということでございまして、首都圏の大変土地の高い大都市に集中しているというようなことでございます。
そういったことから、今回の法改正では、公共団体が例えばこの措置を適用する際に、地下か否かを判断するための地盤面、これについて、敷地の低い位置に設定することができるという制度を導入いたしましたので、今後、その制度をうまく活用すればこういった地下室マンションの紛争については減少していくのではないかというふうに期待しております。
○藤井俊男君 地下室マンションの関係、二十一件ということで報告が、今御説明ありましたけれども、住民紛争鎮静化に向けて、是非もうこの関係については格段の取組を要望しておきたいと思います。
次に、分かりやすい建築基準法への見直しの必要性について伺いたいと思うんです。
これは、大臣、非常に建築基準法や都市計画法を、これを、難解過ぎるのではないかと、難しい表現になって、完璧に理解できる人いるのかどうか、この辺がちょっと、分かりにくい面が、読んでいてもさっぱり、先ほど私も言いましたけれども、どうも理解しにくいようなあれになっておりますので、大臣について、まずこれはどうなのか。
それと、私は、内容を分かりやすくやっぱりすべきだと私は思いますので、この辺の努力もやはり必要じゃないかと思いますので、この辺について大臣にお答えをいただき、また最後に、今回の改正案を踏まえた今後の取組、決意も併せて承って私の質問を終わりにしたいと、このように思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま藤井委員がおっしゃられた建築基準法、私も読んでいてなぜかなと思うようなことがよくあります。
例えば、木造の三階建てというのは一回ブームになりましたけれども、これ、何で三階建てまでしかいけないのかなというのは書いてないんですよね。なぜ規制しているのか私もよく分かりません。さらには、専門家であるところの建築士さんですね、こういう方々から役所の方とか出先に寄せられる質問では、マンションの共用部分、何でこれ容積率にカウントしなくて、その範囲は一体どこまでなのか。最近、マンションの構造も非常に、共用部分といっても複雑化しておりますので、そういう規定の技術的解釈についての質問も多く寄せられると聞いております。
委員の御指摘のとおり、やっぱり建築基準法によって規制をしているわけでございますので、国民の皆さんに分かりやすくすることや、先ほどの建築士とかの専門家の方が技術的解釈に迷わないような規定を、合理的で公にしていくということは私も重要だと思っております。
今後とも、法令の趣旨の明確化、規定の合理化に配意をする、法令の、法令集ございますので、解説資料等々の作成や、関係機関と連携いたしまして、講習会等々で国民や専門家、業界の方々への理解というものを深めてまいりたいと考えております。
そして、最後の、今回のこの改正案を踏まえての決意ということでございますが、残念ながら、我が国の既存不適格建築物の数というものはやっぱり膨大なんだと思います。現実論としては、そのすべてを五十六年規制に合わせて耐震性にしろといっても、個人の所有のものに対して、先ほど来委員が御指摘の経済的な面というものが必ず付いてまいりますので難しい。しかし、難しいからといってそのままにしておいて、これもまた委員の意見の中で出た安全、安心というものにも適応していくことができない、やはりめり張りを付けて、できることはやっていくということが大切なんだと思います。
先ほども政府参考人から御答弁させていただきましたような、デパートとか病院とか共同住宅、学校といったような不特定多数の多くの方が出入りする建築物については緊急的、重点的に改善に努めていかなければなりませんし、今回の改正案によりまして、劣化による危険となるおそれあるものの改修を勧告したり、耐震性、防火性に関する法令違反に対する是正命令に従わない場合には一億円、一億円の法人罰を科すなどの措置を講ずることによりまして、着実に安全、安心を確保するように努めていかなければならないと思っております。
また、同時に、既存不適格建築物の改修を一遍に全体として行わず、部分ごとに、先ほど御議論のありました、新たに増改築の部分でございますけれども、適合させていくということを認める制度の見直しも盛り込んでおりまして、今、先ほど言いましたように、かなりの数ございますので、こういうものの安全性というものを一日も早く高めていく努力をさせていただきたいと考えております。
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○委員長(輿石東君) 委員の異動について御報告いたします。
本日、佐藤雄平君が委員を辞任され、その補欠として岩本司君が選任されました。
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○池口修次君 民主党・新緑風会の池口修次でございます。民主党・新緑風会の時間の枠内で質問をさせていただきたいというふうに思いますが、私の方は地価公示法と不動産鑑定評価法を中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。
ただ、冒頭、法律の、法案とは直接関係ありませんけれども、昨日、毎日新聞で石原大臣の日歯連絡みのちょっと疑惑が報道をされましたので、昨日の衆議院の国土交通委員会でも何人かもう質問がしておりまして、またかという感じもあるかもしれませんけれども、参議院としては初めてでございますので、若干の点を確認をさせていただきたいというふうに思っております。
まず、日歯連の関係、実は三月の十日の予算委員会で我が会派の高嶋議員の方が大臣に、日歯連関係でパーティー券なり個人献金の質問をさせていただきました。そのときの議事録を拝見させていただきますと、パーティー券については平成十二年の十一月から十四年の十一月にかけて四回、二百八十万、個人献金については平成、ちょっと議事録の上で言いますと、十二年に五十万、十二年に五十万とちょっとダブっての議事録ですが、この近辺で百万円は献金はあったということを認めていらっしゃいますが、これは、現時点でもこれの範囲であるということで間違いないのかというのを確認させていただきたいというふうに思います。
○ 国務大臣(石原伸晃君) 議事録、持っておりますが、若干補足させていただきますと、平成十二年六月、二度にわたりまして、五十万円、五十万円、日付が若干ずれておるんでございますが、これは東京都の歯科医師連盟杉並支部から私どもの第八選挙区支部への献金でございます。そのほかは委員の意見の御開陳のとおりでございます。
○ 池口修次君 新たに毎日新聞が提起した中身で言いますと、個人献金ではないんですが、政党の本部に、直接ではないですけれども、国民政治協会から政党の本部に渡って、それが石原大臣の担当する支部、東京都第八選挙区支部に交付をされたという金額が、二〇〇〇年の七月三十一日から最後は二〇〇二年の五月三十一日まで四回に分けて四千万が交付されたのが、これがある意味迂回献金ではないかという表現がされているわけですが、この点については、この四千万の、まず自民党本部からこの期間に四千万が交付があったのかどうかということと、この四千万というのは大臣としてはどういうお金だというふうに理解をしているのかということを確認させていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(石原伸晃君) お尋ねの件につきましては、昨日も衆議院の国土交通委員会でたしか岩國委員だったと思いますけれども質問がございまして、委員会の整理として調査をして御報告するとお答えさせていただきまして、実際のところ、現在、今事実関係を調査中でございまして、党からどういう形でどういうものがあるのかないのかということを調べた、もう間もなく、今急いでやっておりますけれども、党の方にも確認しなきゃいけないようなこともございますので、明日の午前中までには御報告をさせていただきたいと思っております。
それと、一般論なんですけれども、大変恐縮なんですが、政治資金制度の改革を行いまして、政治家個人の政治資金管理団体への企業、団体からの寄附というものを改めて、政党に企業・団体献金は一元化していこうという政治資金規正法の改正が、二〇〇〇年でございますか、行われた。それにのっとって我が党は寄附はできる限り政党へと、そういう観点で行い、小選挙区になりましたので、これまでは中選挙区でございますので、党から、特定の企業、団体が特定の政治家の政治資金管理団体に寄附を行えば、これは委員の御指摘のとおりなのかもしれませんが、これはあくまで、支部への政党からの交付金というものは、政党活動をその支部を通じて党勢を拡大したり党の政策を訴えたりとするように使うようにということで、かなりの金額が政党の方に経由して支部の方に入ってくる、こういう枠組みに私はなっているんだと理解しております。
○ 池口修次君 まず事情を調査して報告をするということになったようですが、是非参議院の国土交通委員会にもその中身を何らかの形で説明をしていただくように、委員長にお取り計らいをお願いしたいというふうに思います。
○ 委員長(輿石東君) はい。その点については理事会で確認をしたいと思います。
○池口修次君 それと、政治献金のやり方については、今、大臣が言われたように個人ではなくて政党に対してやって、それを政党がどういう形で支部にやるかというのは、それは私もそういうことに改められたというふうには思っていますが、ただ、党本部が各支部にやる、やること自体はこれは党が決めることですから我々がどうこう言う話ではないんですが、そのときに、やっぱり何らかの基準に基づいて、特に石原大臣のところだけということでなければ当然そういうことになるとは思うんですが、これが理由がある程度明確にならないと、こういった疑惑が生まれる余地が私は出るんじゃないかというふうに思っております。
ですから、そこまでお話ししていただけるかどうかというのは、これは自民党の都合なんでということで言われるかもしれませんけれども、本当にマスコミで報じられているような疑惑を払拭するためには、やっぱりこれは石原大臣のその支部だけに渡ったのではなくて、やっぱり全体の何らかの基準で渡されているんだというところを明確にすれば、私は疑惑は完全に払拭されるのではないかなというふうに思っておりますので、是非私も、疑惑は是非払拭をしていただきまして、これから大事な道路公団関係の審議があるわけですから、是非すっきりした形でその審議をする、お互いにですけれども、することが必要ではないかというふうに思っておりますので、御期待、先ほどの確認のように是非報告をお願いをしたいというふうに思っております。
次に、具体的な法案について何点か質問をさせていただきたいというふうに思っております。
まず、地価公示法の改正でございますが、今回の改正の趣旨は、どちらかというと地価公示の根本的な仕組みというよりは、地価公示の対象区域を見直す、拡大をするということが今回の法改正の趣旨だというふうに理解をしておるんですが、ただ、いろいろ、一般的にいろいろの方が言われているのは、地価公示の表示の仕方なり表示の中身自体に対していろいろ疑問を呈している方がおりますので、そこを払拭しないと、単にまた地域を広げればますますその疑問が拡大するということにもなりますので、まず、地価公示制度というのがあるわけですけれども、これは何のためにこの地価公示制度を、できて今実際にやられているかという基本のところになるわけですけれども、まずこの点を確認させていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(伊藤鎭樹君) 地価公示でございますけれども、地価公示は地価公示法に基づきまして行っているものでございます。それで、この地価公示の目的でございますが、一般の土地取引の際の価格の目安を提供すること、そしてまた、公共用地の取得価格、収用する土地に対する補償金の算定等に基準を与えることなどを通じて適正な地価の形成を図ろうとする、こういうことが目的でございます。
そしてまた、平成元年に土地基本法が制定されたわけでございますけれども、土地基本法の第十六条におきまして、適正な地価の形成と課税の適正化に資するために地価公示を行う、そしてまた、その地価公示については、公示価格については、固定資産税評価、相続税評価等の公的土地評価について相互の均衡化と適正化が図られるよう努めるものと、こういうようなことが規定されておるわけでございまして、この規定に基づいて、公的土地評価についていいますと、例えば課税評価については公示価格の一定割合を目標として均衡化、適正化が図られるということになっております。
そういう意味で、公示価格は公的評価において重要な、公的土地評価において重要な役割を担っている、そういうこともあるかと存じております。
○ 池口修次君 そういう形で算定というか公表した地価公示価格というのが、いろいろな形でこの価格が利用されているというか、それを準用して、例えば贈与税をどうするかとか固定資産税をどうするかとか、いろいろな形で利用されている大変重要な価格だというふうに理解をしておるんですが、この地価公示というのは具体的にどういう形で今現実に利用されているのかという例なり、場合によっては法律で書かれているところがあるのかないのか、説明をいただきたいというように思います。
○政府参考人(伊藤鎭樹君) 先ほど私申し上げましたのは法律上の目的とか趣旨という規定上のことでございますが、一つ例ということで申しますと、一般の土地取引の際の目安という点で申し上げますと、実際に土地取引をされる方々というのは、単に地価公示価格だけでやるということではなくて、やはり不動産会社の情報でございますとか、知人、友人からの話とか、そういういろいろなものを総合してされると思うのでございますけれども、公示価格の他のそういう情報との質的な違いということで申し上げますと、これは売手とか買手とか、そういうどちらかの視点に立った情報ということではございませんで、当事者が共通に共有できる情報というところに一つ大きな意味があるんだろうというふうに思っております。
また、先ほどの土地基本法におきます公的土地評価における均衡、適正化という観点につきましては、私ども、そういうことが適切に図られるように、政府内の関係部局とも事務的にも緊密な連絡会議等を設けてお互いに情報交換をしながら進めているところでございます。
そういう中で、公示価格の活用状況ということで、一つ私ども、平成十四年に土地取引の基礎となる情報に関する調査というものを行ったわけでございますが、その際いろんな、先ほど申し上げましたように、価格情報ということがあるわけでございますが、取引の際に相場情報のうち最も役立った情報源ということでお聞きしますと、その中では、やはり地価公示等のこういう情報というものの割合が相対的にではございますけれども一番高かったということもございます。
それからまた、利用状況ということで申しますと、地価公示の公示価格につきましては、官報に掲載し、また市町村の事務所でも縦覧しておりますけれども、それに加えて私どものホームページで検索できるようになっております。このホームページへのアクセス件数というのは大体月百万件という実績、これが十五年の実績で百万件でございまして、年間にしますと一千百七十万件を超えております。そういう意味で、幅広い御関心というか御利用ということは、現実に数字的にも見て取れる状況でございます。
以上でございます。
○ 池口修次君 今の説明は、特に民間の段階で、土地取引等に一つの有力な情報、必ずしもそれだけで決めているわけじゃないけれども、有力な情報ということですけれども、これ官の世界、具体的に言うと、冒頭、例示出てきました相続税だとか、何かそこには全く利用はしていないということなんですか。
○政府参考人(伊藤鎭樹君) 先ほどの土地基本法で適正、公的土地評価の均衡化を図るという観点で、それぞれ固定資産税や相続税の路線価について通達等が出てございまして、基本的には、相続税評価は平成四年分の評価からは大体地価公示の八割というのが一つの目安ということになってございます。それからまた、固定資産税評価につきましては、平成六年度の評価替えから七割ということを目標にして進めていくということでやっているところでございます。
また、それと加えまして、公共用地につきましては、先ほども申し上げましたとおり、取得価格あるいは収用の際の補償金の算定等の基準、基準といいますのは、その具体的な取得する土地とその公示の標準地との間に均衡が保たれているというふうに法律になっておりますけれども、そういう形で活用しているということでございます。
以上でございます。
○ 池口修次君 何となくちょっと歯切れが必ずしも良くないんですが、今言った相続税だとか固定資産税だとか土地の収用基準は、これがメーンとなって決めているということではなくて、これは参考資料なんですか。その点をもう一回ちょっと確認したいと思います。
○政府参考人(伊藤鎭樹君) 公示価格を、いわゆる用地補償とかそういう点に関しましては公示価格を基準としてということになっておりまして、と申しますのは、地価公示というのはある決められた、全国で三万一千地点の標準地を設定してそこの価格を判定するということでございますので、具体的に用地を買収する場合にはまた違う場所での買収になりますので、この標準地とこの具体的に買収するところとにおいて合理的な均衡が保たれた価格という意味が基準という意味でございまして、そういう意味で地価公示というものを基にしてやっているというふうに申し上げて差し支えないと思っております。
それからまた、公的土地評価につきましても、地価公示というものを一つのベースにいたしまして、また個々の評価につきましては、例えば固定資産税の評価額でございますと、この地点に更に四十万ぐらいの地点を追加的に取りまして、両方の均衡を見ながら具体的な評価額を決めているということで、その意味では地価公示の価格がまずベースになって動いているということでございます。以上でございます。
○池口修次君 分かりました。厳密な意味ですべてのところを公示しているわけじゃないですから、確かに局長の言われるとおりだというふうに思いますが、ただやっぱり、かなり、民間取引だけであればという場合と、官が相続税だとか税金の判定に使うという場合にはかなり意味がやっぱり変わってくると思いますので、その点を確認さしていただいたわけですが、ただ、じゃ現実問題として起きているのは、その地価公示の価格と不動産の実際の価格というのをもう反映していないんじゃないかという声が最近かなり出てきておりまして、場合によってこれが裁判の問題になったり、いろいろトラブルの原因になっているというふうに聞いております。
一方で、多分国土交通省だと思いますが、多少そういう問題意識も持ちながら、不動産取引価格情報を開示した方がいいんじゃないかと。これ、開示すること自体、もういろいろな問題があるというのは説明は受けているんですが、ただ、アメリカではもう既に三十六州で開示しておったり、イギリスとかフランスではこの取引情報を開示して、これも含めてやっぱり正確な価格の判断をするというところが進んでいるんではないかなというふうに思いますが、ただ、聞くところによりますと、一時期この取引価格情報を開示を義務化するような法案を提出しようというふうな動きもあったようですが、今回の法案ではそこまで至っていないということでして、一つは、地価公示価格が不動産の実際の取引価格と比べてどういう認識を国土交通省としてされているのかということと、不動産取引価格について問題意識は持ちながらも今回の法案提出には至らなかったということでもしあるとしたならば、何が至らなかった原因だろうかというところをまとめてお聞きをしたいというふうに思います。
○政府参考人(伊藤鎭樹君) 二点のお尋ねでございます。
まず第一点、実勢価格を地価公示はどのような形で反映させるように取り組んでいるかということでございますが、この公示価格の性格、まずちょっと最初に申し上げさせていただきたいと思いますが、この公示価格というのは、特殊な事情や動機が売手、買手にない、偏らない、そういう場合に通常成立する価格という形で判定するものでございます。その判定に当たりましては、市場の実勢を正確に見極めるという観点から、できるだけ多くの取引事例等を収集いたしまして、その実際のデータを基に取引事例比較法あるいは収益還元法等の不動産鑑定評価の手法を用いて行っておりまして、私どもとしては市場の実勢価格をできるだけ反映させるということでの最大限の努力と、そういうものを行っているところでございます。
ただ、実際の取引では対象の土地の条件や売り急ぎあるいは買い急ぎと、買い進みといった土地取引の事情が、個別の事情が価格に反映されてまいりますので、実際に私どもも見てみますと、実際の取引では公示価格より高い場合もございますし低い場合もございますが、その中で収れんする目安としての価格として公示価格というものは実勢を反映したものになっていると、また、そういうふうに努力し、改善を重ねているということでございます。
それから、そういう中で、今、池口委員御指摘のように、もう一つ、公示価格でそういう標準値というものを全国に三万一千地点ほど決めて、そこについていたしますが、その場合に、もう一つ、それでは見られない市場の動向としては、実際にその近辺でどれぐらいの取引が実際にあったのかとか、どういうその場合の傾向があるかとか、例えば面積のちっちゃい土地では割に高い形で売買があるけれども、ある程度大きいところではちょっと安くなるとか、あるところはまたその逆のケースとか、いろんなそういう微妙な動向というものがなかなか標準値では分かりづらいんではないかというようなことは、かねてから一つ御指摘いただいているところでございます。
そういう中で個別の土地取引価格というもの、これ市場の生情報ということでございますけれども、これにつきましても提供していくと、収集し提供していくということは重要な課題だというふうに私どもは考えているところでございます。
そういう観点から、昨年八月に取引価格情報の提供についてアンケート調査を行ったところでございます。その調査結果を見てみますと、こういう制度の導入自体については六〇%の方が賛成ということで、前向きの答えでございました。ただ、各論についてもうちょっと見ていきますと、やはり自分の取引が言ってみれば場所や名前まで知られてしまうということについては、それでも構わないという方は四〇%ぐらいでございまして、こういうことも頭に置いて今後やっていかなきゃいけないというふうに私ども考えているところでございます。
そういう中で、本年三月十九日に規制改革推進三か年計画におきまして、この点につきましては十七年度に地価公示の枠組みの中で試行してみると、そのための仕組みを十六年度中に行うということが方向として示されております。私どもは、この閣議決定の趣旨に沿いまして、今後この問題について引き続き取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。以上でございます。
○池口修次君 今説明がありましたように、確かにどの値段で売った買ったというのは、個人情報の最たるものですから、なかなか難しいというのはよく分かるんですが、ただ、やっぱりこれから土地なり不動産を活発に市場の中で動かしていくためには、やっぱり正確な情報がないとなかなかそれに、まあ手を出すという言い方がちょっといいのかどうか分かりませんけれども、この市場に入っていくというのは非常に難しいというふうに思います。
昔であれば、土地買ったら下がるなんということはあり得ないですから一番安心したものですが、今はまあそうでもないということの中で、どうやって不動産なり土地の売買の活性化をするかという面では大事な点であると思いますので、是非、更に突っ込んだ検討をお願いをしたいということと、そういう中でいろいろ地価の問題については問題、まあ問題と言っていいのかどうか、人によっては今の地価でいいかどうかという、地価表示の仕方でいいかどうかという、ある中で、今回、地域を拡大をするということになりますと、取引が、今回は市街化区域でなくて広げるわけですが、そこが、取引が活発であれば、場所であれば広げても問題はないということですが、広げるときにどこでも広げるということなのか、それからある一定の基準についてその地価を表示するということに拡大をするのか、この点を確認をさしていただきたいというふうに思います。
○政府参考人(伊藤鎭樹君) 今回、地価公示の対象区域を広げる理由でございますけれども、近年、道路網の整備や情報化の進展あるいは国民意識の多様化等を背景といたしまして、都市計画区域外で開発行為や建築行為というものが行われて、既存集落のほか、バイパス等の沿道、高速道路のインターチェンジ周辺等を中心に店舗やレストラン、住宅、オフィス等のいわゆる都市的土地利用がスポット的といいますか、局所的に行われるようになってきているわけでございます。
こういうところでは、地価公示のねらいとしております宅地ないし宅地見込み地の取引というものもある程度行われているというのが現状でございまして、全体として見ますと、都市計画区域外の人口というのはむしろ減りぎみでございますけれども、しかしこういうところでの取引というのは、そんなに極端に急激に増えているということではございませんが、じわじわと増えていると、これが今の状況でございます。
そのために私どもとしては、今回、都市計画区域外でも都市計画区域内と同様に、都市的な土地利用が行われて土地取引が相当程度見込まれる地域について地価公示を行えるということにしたいと思っておるわけでございます。そういうことで、土地取引の円滑化とか適正な地価の形成というものに資するようにしていきたいということでございます。
ただ、実際に、それでは、そういうどこでも、じゃ、どんどん広げていくのかということでございますけれども、現在、都市計画区域外でのいわゆる宅地ないし宅地見込み地の取引というのは全体の土地取引のうちの一割ぐらいという形に、今、都市計画、地価公示でカバーできていないところが一割ぐらいございまして、そういうことを念頭に置いて地点を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
そしてまた、そういう場合にも、この法律を通していただいたら直ちに一割全部を、地点を配置するということではなくて、私どもの考え方といたしましては、従来の地価公示との連続性というのも配慮する必要があるし、それから既存地点についても極力集約再編してということで、全体として経費とかそういう面で過度な負担が生じないような効率的な配置をしながら、計画的に再編を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
そしてまた、そういう場合に、もう一つ、今そういうところで実際取引があるところがあるということでございましたけれども、そういう目で見ますと、例えば最近そういう局所的な土地取引が行われるようなケースとして一番目立っているところというと、高速道路のインターチェンジとかそういうところになるわけでございますが、今私どもが把握しておりますところでは、都市計画区域外、いわゆる現在の地価公示で対象にできないようなところにインターチェンジというのが全体で一四%ぐらいということで、数にいたしますと百十二か所というふうに把握しております。この傾向はまた今後も出てくるということで、そういうところについて今回手を打ちたいということでのお願いでございます。以上でございます。
○池口修次君 私も広げなきゃいけない必要性はあるんだろうというふうに思いますが、冒頭から言われていますように、地価公示自体の、今の地価公示の中身自体もなかなか疑問を呈している人もおりますので、この辺を広げたために更に疑問の声が拡大をするということがならないようにお進めをお願いをしたいということと、残り時間余りなくなりましたんで、不動産鑑定評価法のところについて一、二点お聞きをしたいわけですが。
この地価公示自体も不動産鑑定士の人の協力を得ながらやっているというふうに聞いております。一方で、なかなか不動産鑑定士のチャレンジする人がどんどん減ってきているんじゃないかという中で今回の制度の見直しが提案されているというふうに理解をしているんですが、元々不動産鑑定士、ある意味、公の部門で使われている地価公示、地価の評価についても携わっているわけですから、やっぱりある一定の人数は必要だと思いますし、一定の能力は当然備えていないと、人がいないと困るというふうに理解はしておるんですが、現在は鑑定士補の方を含めて九千人ぐらいということなんですが、国土交通省としては、実際に地価公示を算定するための人と、これからの不動産の取引等を考えてどのぐらいの人数の人がいれば、必要な人数をどの程度考えているのかというのをまずお聞きをしたいというふうに思います。
○政府参考人(伊藤鎭樹君) 不動産鑑定士と不動産鑑定士補の現在の登録人数というのは、今、委員御指摘のそういう数字だと思います。そして、この数字が不足、この人数が不足しているということが今回改正をお願いする動機とは私どもは考えておりません。
ただ、問題は、実は司法試験とか、それから公認会計士試験なんかではむしろ受験者が増加しているという状況の中で、不動産鑑定士試験についてはこの三年間で受験者が五%ほど減っていると。こういう状況を分析していきますと、やはり資格、最終的に試験合格後、二次試験合格後、不動産鑑定士になるまでにインターン制度といいますか、徒弟制度的な期間があって、身分も不安定だとか、そういうようなことも原因として、それから時間とか経済的負担も大きいというようなことも原因としてあるんではないかというふうに把握しているところでございます。
そういうことで、今回、簡素合理化をして、しかし技量は確実に習得させるという意味で、実務修習課程も充実させていこうということが今回の改正法のねらいでございますが、そういう形を取りまして、それではどういう、これからこの鑑定業界の現状を見てどういうことを考えているかということでございますと、まず量的には現在の実働レベルである程度確保を今後もできるんだろう、対応できるんだろうと思っておりますが、問題は、この不動産鑑定士という資格制度が昭和三十九年に始まった制度でございまして、ちょうどそのころに、昭和三十年代、昭和四十年代に資格を取られた方々が今五十代から六十代と。特に不動産鑑定士の年齢構成というのでは五十代が突出しているわけでございます。
そうすると、この量的かつ技量のレベルを維持しながら世代交代をうまく図っていくためにはやはりこれからの、突出している五十代の方々がだんだんと引かれていくのをうまく対応できていくような、そういう意味で人材供給のすそ野を広げていく、それからまたどうしても司法試験や公認会計士試験なんかと大学生の学部とか領域というのが重なりますので、やはりそういう意味でも、そういうものの動向というものも見ながら魅力あるものにしていかなければいけないと、そういうことで今回こういう改正をお願いしたものでございまして、司法試験や公認会計士試験につきましては、聞くところによりますと人数を拡大することにねらいがあるということも聞いておるわけでございますけれども、不動産鑑定士の場合には量というよりはむしろ質、そして円滑な世代交代、そういうところにねらいを置いて今回改正をお願いいたしているところでございます。以上でございます。
○池口修次君 質問は以上ですが、やっぱりこの地価公示を本当に不信をある意味なくすということと、正確な地価表示をするための不動産鑑定士の人たちをどういう人になってもらうのかということは、公的部門の、ある意味税金にもかかわる部分ですから非常に大事な問題ですし、民間部門においても、やっぱりこれから、バブル期を過ぎて少し停滞をしてしまった不動産をどうやって動かしていくかというときには大事な、ある意味、不動産鑑定士というのは私は大事な人というふうに理解をしているわけですが、そういう意味で、かなり高齢だという話も、平均年齢が高齢だという話も聞いておりまして、やっぱり若い人がどんどん入ってくるようなことにしなきゃいけないというのはどの産業、どの業種においても私はそうあるべきだというふうに思っていますが、一方で、安易にしてちょっと資格としてどうかということが後々言われないような運用なりをお願いをしまして、時間になりましたので私の方は質問は終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○弘友和夫君 公明党の弘友和夫でございます。
建築基準法の一部を改正する法律案について少しお尋ねしたいと思うんですけれども、平成七年の阪神・淡路大震災、これは六千四百名の方が亡くなられたんですけれども、その大半は住宅の中で亡くなられておりまして、その当時、建築物の安全、安心の問題というのは非常な国民の重大な関心事でありました。
それで、この建築物の安全、安心を考える場合に、欠陥住宅問題に代表されるように、まず、じゃ新築時のチェック、つまりフロー対策というのはどうであったかという論議がその当時ありまして、その検査率が約三割だと。これはひとつ何とかこれを上げていかないといけない。そしてまた、その途中で建築工事中の検査、いわゆる中間検査も導入すべきじゃないかとか、それから消費者の皆さんが安全、安心な住宅を選択するための基本的な枠組みとして住宅性能表示制度等も創設すべきだということで我が党も主張しましたし、いろいろな動きの中で、平成十年に建築基準法が大幅に改正されまして、中間検査の導入、そして建築確認検査の民間開放等の措置が講じられました。そしてまた、十二年には住宅品質確保法が制定されて住宅性能表示制度が導入されたと。
こうした結果、完了検査の実施率は当時の三割から平成十四年度で約七割弱まで上昇しております。そしてまた、中間検査の導入につきましては約七割の特定行政庁で導入をされていると。住宅性能表示制度では、十五年度は全住宅着工の一割強となったわけでございまして、こうした面でフロー対策というのはかなり大きく進展してきたと。
これについては非常に高く評価するものでありますし、またこれももっと進展させなければならないと、このように思っているわけですけれども、反面、フローからストックの時代というか、あの大震災のときも犠牲者の多くは現行の耐震基準を満たしていない既存住宅で亡くなっている。また、平成十三年九月の新宿歌舞伎町の雑居ビル火災、死者四十四人という大惨事が発生したわけですけれども、これも防火・避難基準を満たしていない既存ビルの問題点を浮き彫りにしたわけでございまして、また、こうした安全、安心の問題のみならず、高齢化への対応や環境問題、資源の有効活用という観点からも、ストックの有効活用、リフォームの推進というのは、国民生活を豊かにして、地球環境を守り、我が国経済を活性化する上でも極めて重要な問題であると考えるところでございますけれども、そうした建築物のストック対策の重要性に対して、石原大臣の基本認識をお伺いしたいというふうに思っております。
○国務大臣(石原伸晃君) 弘友委員のお話にございましたように、フロー対策についてはかなりのことができてきていると私も認識をしておりますが、一方ストックに目を向けますと、個人の住宅の平均耐用年数がやはり短く、また防火対策、耐震対策についても、かなり劣化している。平均耐用年数、単純に比較できるかどうかは別として、イギリスでおよそ七十五年とか、アメリカで四十五年とか言われておりますが、日本は三十年ちょっとでございます。
二〇〇七年でございますか、もう日本が人口の減少局面を迎えるということは、その急激な集中というものが一段落して、この減少局面へ移行し、少子高齢化、低成長、低成長というかその巡航速度が遅くなるということだと思いますけれども、環境の変化は、持っている者同士の結婚が、確率論からいうと家を持っている者同士の、多くなるわけでございまして、親御さんからその住宅の承継を期待するケースがこれからますます増えていく。しかしその一方で、さっき言いましたようにストックがお寒い状況でございますので、住宅の長寿命化を図るとともに、既存住宅の適切な保持、保全、その中にやはりさっき言ったような委員御指摘のその耐震性というもの、その耐震性をリフォームによって、実利はなかなかないわけですけれども、いざというときの備えとしてやっていくということをやらねばならないと思っております。
この法案の中でも、既存建築物の中で多数の方が利用する、さっきからお話をさせていただいているホテル、病院、学校、共同住宅といったものについては勧告制度や罰則の強化を行うこととしておりますし、既存不適格建築物の改修を部分的でもいいですよというようなことによって、全体はすぐには良くなりませんけれども、できるところから良くしていくと、そういうことを今回やりまして、委員の御意見であるところのストックというものの質の向上というものに努めていきたいと考えております。
○弘友和夫君 今、大臣のお答えのように、今全体的な住宅というのはだんだん、もうほとんど満たしていると。欧米のように、耐用年数が日本の場合は三十年、欧米はもう何百年と続いているというようなことの論議の中から、中古住宅の流通を図るべきだとか、手を加えればだんだん、日本は築何年といったらもうそれは一切価値がなくなるという、それをやはり手を加えていけばむしろ価値が上がっていくというようなことにしていくべきだとかいう論議は今まで大変ありまして、だんだんその方向にはありますけれども。
そういう中で、この耐震性、安心、安全というか、そういう部分も含めて、今例えば東海地震、東南海・南海地震が同時に発生した場合は死者二万八千人、経済損失八十一兆円という、こういう被害推定も出されているわけでございまして、今回これ上がっております法の改正によって、本当に既存の建物に対しましても安心、安全な建物にしていく必要があるというふうに考えておりますけれども、反対に、反対にというか、リフォームの問題、うちの神崎代表も代表質問で取り上げておりましたけれども、そういう安全の部分と、それから景気対策というか、例えば今耐震基準を満たさないものが千四百万戸だと先ほど言われておりましたけれども、一戸百万円ぐらいの耐震改修工事を行いましたら約十四兆円ぐらいの需要が見込まれると。それからまた、高齢者世帯の住宅をバリアフリー化するという、そういうリフォームをすれば約四兆円ぐらいになるんだということで、今新築がなかなか伸びない中で、そういう耐震だとかバリアフリーだとかそういうことに目を向けた改修工事をやっていけば非常に経済効果も波及効果も非常にあるという意味からも、是非政府としてもこれに対する助成、それから融資の金利の一層の引下げだとかいうような税の優遇措置など、リフォーム市場の整備というのをバックアップして強力に推進していただきたいと、こういうふうに思うわけでございますけれども、大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) この点につきましては、やってきている部分があります。しかし、不十分であるという御指摘があることも承知しております。
例えば、耐震診断については二分の一補助をかなりの方々が御利用されておりますし、実際の改修の補助率は八%でございますが、まあ百万円で八万円でございますから、これじゃ足りないという御意見もありますが、実績としては十一億円、十五年度で十一億円程度の実績がございます。あるいは、住宅金融公庫を使っての低利のリフォーム資金の融資や、委員が御指摘されました税制上の優遇措置、こういうものをやってきておりますが、やはり経済性ということを考えますと、この分野は実は非常に、単純計算でも十四兆という御数字を弘友和委員お示しになりましたけれども、大きいような気がいたします。リフォームの整備、リフォーム市場の整備に向けまして、住宅の増改築にかかわる十年間の瑕疵保証制度ですか、の拡充というものも、普及というものもやっているところでございます。
先ほども若干、御同僚の藤井委員との御議論の中でお話をさせていただいたんですが、建設業から転業でこのリフォーム市場にという方がかなりいらっしゃる。公共投資等々が抑制基調にある中で、財政事情の中でこういうことになっているわけですけれども、このリフォーム市場というものを活用することによって、雇用の面での雇用確保の拡大等々、様々な観点からのプラス面が期待されると思っております。
リフォーム支援の普及充実を図るために、また、この市場の一層の整備に向けて頑張らせていただきたいと考えております。
○弘友和夫君 是非推進していただきたいなというふうに考えております。
それで、今回の直接の改正とは結び付かないんですけれども、私は、大きな建築基準法の中における生活雑排水の問題というか対応というか、そういうことについてお伺いをしたいなというふうに思うんですけれども。
二十一世紀は水の世紀だと、大変、去年も、去年だったか、京都で水フォーラム、世界水フォーラムというのも行われましたし、私たちの使える水というのはたくさんあるようでありますけれども、〇・〇一%しかないと。世界の人口の中の、六十三億人の中の十二億人が毎日飲む水に困っておられるという中で、幸い日本はまだそこまでないわけですけれども。昔は、水は安心、治安と水はただだみたいに思われておりまして、その水がだんだんだんだん汚れてきている。
その水質汚濁の大きな原因が、今までは工場の廃液であってみたりしたんですけれども、これが私たちの炊事だとか洗濯、入浴などの日常生活に伴って排出される生活排水、これが大きな原因になっておるというふうに言われておりますけれども、大体どれぐらい、生活排水による汚染の原因というのはどれぐらいというのは分かりますか。これ通告しておったかな。
○政府参考人(南川秀樹君) 生活排水、大変汚濁発生負荷量の割合が多うございます。
例えば、東京湾で申しますと、生活排水が全体の六七%、伊勢湾で五三%、瀬戸内海で四八%というデータを持っております。
○弘友和夫君 半分、五〇%ぐらいがもう今や生活排水だというふうに思うんです。そのために、それを処理するためには、公共下水道だとか農村集落排水事業又は浄化槽事業というのはずっとやられてきましたけれども、まだ七六%、残り二四%、約一千万世帯ぐらいがまだ処理をされていない水が流されていると。
私は、建築基準法の関係で見まして、単純に思うんですけれども、家を建てるときにきちっと生活排水も処理をするという、こういうものがなければ、ほかはいろいろ細かく、壁はどうだとかいろいろこれありますよ。ところが、肝心の、今一生懸命国土交通省も環境省も日本の水をきれいにしようと、川や海をきれいにしようという施策をやっているわけですけれども、肝心のこの生活排水というのは家の中から出てくるわけですから、よそから出てくるわけじゃないんです。それに対する、建てるときに生活排水をきちっと処理をしておかないと建てられませんよぐらいな思想があってしかるべきだと、このように思うんですけれども、何か建築基準法にはないような気がするんですけれども、それについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(松野仁君) 建築基準法の第一条で目的を定めておりますが、建築物の構造、設備等に関する最低の基準を定め、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的としている、こうなっております。
現在までの考え方ですと、建築物の便所からの汚物を含む排水が例えば伝染病の原因となるというような、著しい健康上の被害を生じないように、便所については下水道への接続や、あるいは一定の汚物処理性能を有します浄化槽の設置等について基準を定めております。
下水道が整備されていない地域におきます生活雑排水につきましては、平成十二年に浄化槽法の改正がございます。それから、基準法に基づきます浄化槽の技術基準の改正がございまして、新たに単独処理浄化槽というのは原則禁止になったという経緯がございます。
新たに浄化槽を設置する場合には、合併処理浄化槽によって、し尿だけではなくて生活雑排水も処理すると、そういう仕組みとなっておりますけれども、くみ取便所の設置も基準法上は設置が可能でございまして、このくみ取便所の場合には生活雑排水が処理されずに放流されるという、そういう仕組みに今の基準法ではなっておりまして、御指摘のとおり、基準法ですべて生活雑排水が処理されるというふうな規制になっているというわけではございません。
○弘友和夫君 ですから、最初に申しましたように、基準法できちっとそれをやるのか、別の下水道法なり浄化槽法なりで、家はこう建てますよと。だから、排水の部分までは建築基準法できちっとやりますよと。そうじゃない、そこから先は、ただ下水道法なり浄化槽法なりでもって流せないと、広域のところには流せないというものがあればいいんですけれども、それがなかなか今言われたようにないというか。
といいますのは、下水道の計画区域内、計画区域外は新たには単独は駄目になったわけですから、生活排水も処理をできる合併浄化槽という、これしかもう駄目なんですから。下水道の計画区域外は新たに建てるものはきちっと処理できるようになったわけですよ。肝心の計画区域内で、これいつに、計画区域ではあるけれども、いつに下水道が来るか分からないというのが一杯あるわけですよ、何年先になるのか。じゃ、その何年先になるのか分からないものに対して生活排水はそのまま流していいですよということであれば、むしろ計画区域であるために処理ができないということになるわけでしょう。これはどういうことなんですかね。
○ 政府参考人(松野仁君) 下水道の整備、言わば予定区域ですね、まだ整備されていないところにつきましては、浄化槽法上も必ずしも合併処理浄化槽でなくてもいいという考え方になっているかもしれませんが、一応建築基準法上は、現在では浄化槽の基準としては合併処理浄化槽ということに基準を定めておりまして、原則、浄化槽法も原則としては合併処理浄化槽にすべきだという考え方になったものですから、それに整合させるという意味で浄化槽は合併浄化槽というものを基準としてお示ししているということでございまして、その場合は、ですから生活雑排水も処理できるということでございますが、先ほど申し上げましたように、くみ取便所の設置も一応可能ということになっておりますので、その場合には生活雑排水が処理されずに放流されるということになってしまうということでございまして、ここら辺りにこれからの課題があるのかなというふうには考えております。
○弘友和夫君 ちょっと、要するに、計画区域外は今からは両方、生活排水も処理できる、合併処理浄化槽じゃないと駄目ですよというふうになったわけですね、浄化槽が。区域内はくみ取りでもいいですよと。じゃ、生活排水はどうするのかと。来るまではそのまま流していいですよということになっているわけです。それがまた七年以内に来ると、七年以内、以上たった、七年以内に来る可能性がないというものに対しては浄化槽を付けるときの補助金は付けていいですよと、こういうふうになっているんですけれども、七年以内の場合は補助金まで付かない。要するに、ずっとその間、下水道が何年になるか分からないけれども、それまでは全部垂れ流しておきなさいという方向性なんです、これは。
だから、そこの考え方というのは、何年、もうそれは二、三年先に来るのがはっきりしていたら、それはまあ猶予期間であっていいかもしれないけれども、計画区域内というのは、日本全国全部計画していますから。それも見直しも余り行われずに、人口二、三千の村だとかなんとかでも下水道こうやりましょうという計画しているわけです。これ、いつ下水道が来るか分からない、だけれども計画区域内は浄化槽の補助金も付かないで、そしてずっと垂れ流しだと、こういうことになっているわけです。だから、むしろ下水道計画というのが、残り二四%を整備していく、処理をしていく、それに対して足かせになっているというか、というふうに考えるわけですよ。
だから、これは是非この三者で見直しをすると、計画区域そのものを精力的に見直しをするということになっておりますけれども、本当にこの見直しをしていただきたいというふうに、その三者はというふうに思うんですけれども、それぞれいかがですか。下水道も含めて、環境省。
○政府参考人(南川秀樹君) 私ども環境省といたしましても、御指摘のとおり、下水道の整備が七年間見込まれないという地域につきましては合併浄化槽の補助の対象にしております。これにつきましては、七年というのは下水道の補助金と合併処理浄化槽の補助金の二重投資を避けるということでルールを作ったわけでございます。ただ、このルールを決めたのが平成の初めでございまして、相当状況は変わっております。よく関係者と相談をしていきたいと思います。
また、下水道、全体の汚水処理施設の整備の計画でございます。これにつきましても、国土交通省などと相談の上でその見直しを今進めておりまして、今後ともそれを積極的に進めたいと考えております。
○弘友和夫君 三者で、農水省はあれですけれども、国交省はいらっしゃらないですかね。下水道部長は来ていないかな。分かりました。
とにかく、きっちりとこの見直しをして、本当に下水道計画が生活排水をきちっと処理をするというものの足かせにならないように、足を引っ張ることにならないように是非してもらいたいと思うんですよ。いろいろまだこれについてはあるんですけれども、時間が余りありませんので。
せっかく環境省が来られているんで。じゃ、その区域外のというか、単独浄化槽は今からできなくなったけれども、これの方が既存のやつが多い。さっきのあれじゃない、既存のやつが多いわけですね、七百万戸。合併処理浄化槽は二百万戸ぐらいです。これはどういうふうに考えられていますか。
○政府参考人(南川秀樹君) 御指摘のとおり、浄化槽は約八百八十万ございまして、六百八十万が依然として単独の処理浄化槽でございます。当然、委員御指摘のとおり、公共用水域への負荷ということでいいますと、単独が合併浄化槽の八倍ほどございまして、大変影響が大きゅうございます。そういう意味で、私ども是非これを、単独浄化槽を転換したいということで考えておりまして、単独浄化槽から合併浄化槽への改造、あるいは合併浄化槽の補助要件、そういったものを緩和いたしまして、何とかその転換が進むように努力をいたしているところでございます。
今後とも、更に努力を続けたいと考えております。
○ 弘友和夫君 阪神・淡路大震災のとき、ライフラインがもう相当、ガス、水道、それから下水、大変な復旧するまで相当時間が掛かったと。浄化槽についてはほとんど被害がなかったというふうに聞いておりますけれども、それぞれそういうライフラインの被害状況、それから浄化槽について簡単にお願いします。
○政府参考人(尾見博武君) 阪神・淡路大震災におけるライフラインの被害の状況でございますけれども、まず水道でございますけれども、兵庫県、大阪府等の九府県六十八市町村の水道事業及び三つの水道用水供給事業の水道施設が被災しまして、約百二十三万戸が断水したということでございます。
ガスにつきましては、大阪ガスの管内で約八十六万戸で供給が停止をいたしました。
下水道関係の被害につきましては、大きいもので八つの処理場の処理能力に影響を生じましたほか、三百キロ余りの管渠についても被災をしておるということであります。
これらのライフラインの復旧の状況でありますが、仮復旧も含めまして、平成七年、同じ年の五月までに復旧をしたというふうに承知しております。以上です。
○政府参考人(南川秀樹君) 浄化槽関係でございます。
地元が調査しましたところによりますと、小型の合併処理浄化槽につきましては、二千五百五十五基のうち七基が破損ということで、破損率は〇・三%となっております。
○弘友和夫君 だから、私の考え方としては、個別に処理を、下水、生活排水だけじゃなくて、やはりそこから出たやつを処理をしていくという考え方が今から大事じゃないかなと。オンサイトというんですかね。ずっと川を経ていって最終的に処理をする、そうなってくると、その途中の、だから下水道区域内はもうほかのやつやってもろうたら予定が狂うから、だからさせないようにしているわけですよ。させないと言ったら語弊があるけれども。だから、そういうことをこれ改めてもらいたいというふうに思っております。
それからもう一つ、浄化槽、来られていますので。
浄化槽の場合は個別処理だと、下水道は集団処理だと。個別処理と市町村型とかやっていくときに、二、三軒をつないでそこで処理をしたいという要望は一杯あるわけですよ。ところが、なかなか財務省だとか個別処理ということにこだわってできないというようなことも聞いておりますけれども、これ是非できるようにするべきじゃないかというふうに考えますが、いかがですか。
○政府参考人(南川秀樹君) 委員御指摘のとおり、現在私どもの補助要綱におきましては、その個別、一軒に一個の浄化槽を設置するということにいたしております。
御指摘のとおり、その敷地、地形などの関係のそういった事情から、一軒一基が浄化槽が設置できないと、二戸以上の複数戸でまとめて浄化槽を設置したいという要望たくさん伺っております。こういったその地域の特殊事情に踏まえて何とか対応できるようにということで、関係者とよく相談をしていきたいと考えております。
○弘友和夫君 大臣、最後に、私は、これ建築基準法は先ほど分かりにくいという部分がありましたけれども、相当昔に作られて改正改正というふうにやってきていますんで、そういう環境という観点というのは非常に少ないんじゃないかなと。生活排水、トイレの方はあるけれども、生活排水にないとか、そういう、また生活排水はどこがそれは処理してもいいんですけれども、それ早くやるということも大事だし、安く、経済性、効率性を考えるというようなことが必要なんで、やっぱり話合いを進めていただいて、それを三省の、きっちり、早くこれは生活排水、汚れの原因の半分以上ですから、していただきたいなというふうに思いますけれども、最後に大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 弘友委員と政府参考人の議論を聞かせていただきまして、その目指すべきは、できるところは下水道を整備するのにこしたことはないんですけれども、それまでの期間、生活排水が垂れ流しになり、建築基準法では必要最小限のことしか言っていないといったような問題が明らかになったと思いますけれども、やはりこれは、なかなか、出している方は自分たちがどれだけのものを出しているという意識がありませんけれども、それによって生態系がこれだけ壊れてしまうんだということを多く示すことによりまして、多くの方々が弘友委員と同じような立場に立ってやっていくことが望ましい。そのためにも、国土交通省ほか関係省庁と連携を取らせていただきまして、この問題の解決に努力をさせていただきたいと考えております。
○委員長(輿石東君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。
午後零時九分休憩
─────・─────
午後一時一分開会
○委員長(輿石東君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、建築物の安全性及び市街地の防災機能の確保等を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案及び不動産取引の円滑化のための地価公示法及び不動産の鑑定評価に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○富樫練三君 日本共産党の富樫練三でございます。
今日は建築基準法の一部改定の関連で伺いたいと思います。
最初、建築基準法に大変深く関連しております自動回転ドアの問題について最初に伺いたいと思います。
もう御承知のように、三月二十六日に六本木ヒルズの回転ドア、これで六歳の子供さんが挟まれて死亡事故がありました。この問題で、私はその直後の三月三十日の委員会で、政府が責任を持って調査することと法整備をすることを要請いたしましたけれども、その後政府はどのような取組をしてきたのか、概要を御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(松野仁君) お答えいたします。
六本木ヒルズにおきまして自動回転ドアで非常に痛ましい事故が発生いたしました。
国土交通省といたしましては、このような重大事故が発生したことを重く受け止めまして、三月二十九日に、国土交通省及び経済産業省より、関係団体、主要メーカー各社に対し、設置実態の報告、当面の事故防止対策を要請いたしました。また、四月一日に、全国の都道府県に対し、大型の自動回転ドアを設置している建築物所有者への注意喚起、現地での使用状況等の点検、確認を行い、併せて国土交通省に報告するように求めたところでございます。
さらに、国土交通省及び経済産業省の共同で自動回転ドアの事故防止対策に関する検討会を設置いたしまして、第一回を四月八日、第二回を五月七日に開催したところでございます。おおむね三か月程度で設計者あるいは管理者が守るべきガイドラインを整備することとしたところでございます。今後、六月中に検討会を二回開催いたしまして、六月末を目途に自動回転ドアの事故防止対策のガイドラインを整備する予定でございまして、併せてその普及により事故防止に努めてまいりたいと考えております。
○富樫練三君 専門家が集まって検討会を開いて、それで今後の対策を検討するというのはとても大事なことだというふうに私も思います。
この点で、大臣に最初にまず伺いたいわけですけれども、この検討会の名簿を私も見させていただきました。利用者団体、利用者の代表と思われる方が全国の老人クラブとか子供関係とか障害者の問題とか、そういう関係の方々が三人いらっしゃいまして、業界代表と思われる方がほぼ九人ぐらいいるようであります。ほかに学者、それから行政関係のメンバーで構成されています。多くはメーカーや業界の代表のようです。
もちろん、こういう方々の御意見を伺うことはとても大事だというふうには思いますけれども、ただ問題は、回転ドアが広がってきた、普及されてきたというのは、冷暖房対策などのビルの経済効率、このことが優先される結果としてこの回転ドアというのは普及されてきたわけなんですね。その結果、死亡事故も発生したわけです。したがって、この検討会では間違っても経済効率優先ということになってはいけないというふうに思うんです。
この検討会では、まず人命第一と、そして特に高齢者と子供の安全性、これが最優先でなければならないというふうに思いますけれども、検討会に諮問というか、問題を投げ掛けて検討会の結果を受けて、これから物事を決めていこうというわけですけれども、最初に物事を提起する段階で、人命優先と高齢者や子供の安全、これ第一なんだということを明確に政府の側から検討会にはっきりさせるべきだろうと、そういうふうにしているだろうとは思いますけれども、この点について、大臣のまず基本的な考え方を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) この問題につきましては、三月でございますか、富樫委員が御質疑をされた話は覚えておりますし、改めまして、極めて痛ましい事故で、尊い六歳の溝川君が亡くなられたことに改めて冥福を、心から冥福をお祈り申し上げたいと思います。
委員の御指摘のとおり、利用者というか、利用をする中にあって危険性を感じるであろうユーザーの代表として、すなわち高齢者や子供さんの安全に対する視点が重要だということで、お三名の方を、私の方から事務局に指示をしてメンバーに加わっていただいたところでございます。
これまで二回ほど検討会が開かれておりますが、その検討会の中で指摘された点につきまして私が感じましたことは、高齢者の皆様方にとりまして自動回転ドアというものは縄跳びに入るようなくらい怖くて、隣にほかの自動ドアを併設してほしいという御意見があったということ、さらには、子供さんの専門家の方の御意見でございますが、親の手を離れて行動するようになります実は三歳ぐらいの幼児の方に事故が多い、この手の事故が多い、こういう御指摘がなされたわけでございます。
その観点からも、ただいま委員が御指摘になりましたような安全、安心ということを重点的に当委員会におきましても、委員長は直井先生でございますけれども、お取りまとめいただけるものと承知をしているところでございます。
○富樫練三君 検討会の途中までの議事録の要旨を私も読ませていただきました。それから、その中に今、大臣がおっしゃっていましたような、自動回転ドアというのは高齢者や子供にとって、あるいは足腰の弱い方々にとっては回っている縄跳びをくぐり抜けるようで苦痛であるとか、あるいは、障害者の立場から回転ドアの隣には必ず自動ドアを設置するようにお願いしたい、こういう意見も出されていました。
それから、先ほど報告がありました全国の都道府県の調査、その結果を見ると、この間発生した主な事故二百六十四件、そのうち七三%が九歳以下と七十歳以上で占めているという状態であります。しかも、その中の重傷事故ということになると、九〇%が九歳以下と七十歳以上、こういうことでありますから、子供さんや高齢者が、この自動回転ドアというのはどんなに危険なのかということがもう一目瞭然であります。六本木ヒルズの事故の同じ月でありますけれども、三月の月初め、ドイツで空港で回転ドアによって一歳八か月の子供が挟まれてやはり死亡するという事故も発生しています。
そういう点で、この回転ドア対策というのは極めて今緊急に大事な問題になっているというふうに思いますけれども、そこで伺いますが、床面積二千平方メートル以上の不特定多数の者の出入りする建築物にはバリアフリーを義務付けたハートビル法という法律が、新しい法律があります。今度の六本木ヒルズはこのハートビル法に言う円滑化基準に適合しているというふうに言われています。この円滑化基準には自動回転ドアに関する安全規定はありますか。
○政府参考人(松野仁君) ハートビル法では委員御指摘のとおり、延べ面積二千平方メートル以上で不特定多数が利用する建築物等に対しまして利用円滑化基準を満たす移動経路を確保するということを義務付けております。この利用円滑化基準で、出入口につきましては車いす使用者が容易に開閉して通過できる構造でなければならないとされております。
御指摘の自動回転ドアを特別に取り出して扱いを特に定めているということはございませんが、この利用円滑化基準に適合するものは基準を満たす出入口として取り扱われるわけでございます。これまで自動回転ドアの危険性について十分認識されていなかったわけですけれども、今回の事故を受けまして、現在自動回転ドアの事故防止対策に対するガイドラインを策定中でございます。したがいまして、今後この結果を踏まえましてハートビル法の観点からも基準をどう考えていくべきか検討をしてまいりたいと思います。
○富樫練三君 ハートビル法で言う円滑化基準に適合しているんだけれども、死亡事故が発生したという問題なんですよね。しかも、適合しているこの六本木ヒルズのビルで、昨年オープンしたのが四月、それ以来毎月のように事故が発生しているというわけですから、この円滑化基準というのはどれだけの実効性があるかというところ、これは大変疑わしいと思うんです。
今答弁ありましたように、円滑化基準には自動回転ドアとしての規定はないんですよね、出入口についての規定はあるけれども。そこで、改めて伺いますけれども、設計標準というのもありますね。この設計標準の中ではその自動回転ドア、回転ドアについてはどういう規定になっていますか。
○政府参考人(松野仁君) 建築設計標準というのがございますが、この中では自動回転ドアの設置について、回転ドアですね、回転ドアの設置について主たる出入口には設けないことが望ましい、もし設ける場合は回転ドアのみとすることは避けると。で、高齢者、障害者等が使いやすい引き戸、開き戸を併設することが望ましいということで、その回転ドアを禁止しているわけではございません。むしろ、全部回転ドアということではなくて、通常の引き戸、開き戸を併設することが望ましいという表現になっております。
○富樫練三君 もし回転ドアを付ける場合は引き戸式のドアもちゃんと付けなさいということなんだけれども、回転ドアを設けないことが望ましいということになっているわけなんですね。その中では、高齢者、障害者等が使いやすいような引き戸式のものも付けなさいと、こういうことなんですけれども、これはこのとおりやはりやるべきだろうというふうに思うんですが、ただし、この設計標準というのは法律上の強制力はありますか。
○政府参考人(松野仁君) この建築設計標準というものは、ハートビル法の平成十四年に改正をいたしましたが、そのときに併せて設計者向けの解説書として作られたものでございまして、法的な強制力を有するものではございません。
○富樫練三君 そうすると、ハートビル法に言う円滑化基準には合格していると、適合していると。しかしながら、事故が起こるような状況があって、その一方で回転ドアは付けない方がもう望ましいと、付ける場合はこういうふうにしなさいと、安全対策を作りなさいというふうに言っているものについては、これは別に守らなくても大丈夫だというところに、今の建築基準法に基づくビルの安全性の問題についての実は大きな落とし穴があるというふうに言わざるを得ないわけなんですね。
そこで、この問題について最後に大臣に伺いたいと思います。
建築基準法やハートビル法、ここで人命尊重第一と、安全第一ということで進めているとは思いますけれども、しかしそれは、きちんと担保されない限りこの安全性というのは守られないわけなんですね。そういう点から、一つはハートビル法に言う円滑化基準と設計標準ですね、これを抜本的に見直して、そして高齢者や子供たちが絶対に事故に遭わない、こういう基準をしっかりと作ることが大事だというふうに一つ思います。
もう一つは、そういうふうに仮にしたとしても、ハートビル法というのは二千平方メートル以上で不特定多数の人たちが利用するビルの目的に沿ったものが対象になるわけなんですね。ですから、すべての建築物が対象になっているわけではありません。したがって、そういうハートビル法を強化すると同時に建築基準法の中にそういう規定をしっかり設けて、それを全部が守るようにする、義務規定としてきちんと位置付けると、努力義務ではなくて義務規定にするということが大事だというふうに思います。
したがって、来月でしょうか、検討委員会の一定の結論が出てくると。先ほどの説明ではガイドラインのようなものを作ろうという話でした。私は、ガイドラインではやっぱり駄目なんだろうと思うんですね。きちんとして、全部が守るような義務規定にしなければならないと、その法律の規定が必要だというふうに思うんですけれども、大臣のこの点についての基本的な認識を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほど政府参考人からも御答弁させていただきましたが、自動回転ドアの危険性について十分認識されていなかったというところが、そもそもの私は出発点のような気がしてなりません。早急に自動回転ドアの事故防止策というものを確立するために今検討会で御検討いただき、その一方で設計者や管理者の方が守るべきガイドラインの整備普及ということは、これは時間が掛からずすぐできますので重要であると考えておりますが、委員が御指摘されましたように六月末にガイドラインが、案が、検討会の案がまとめていただきますので、そこのお取りまとめをしっかりとそんたくして、法令につきましては将来的には改正も視野に入れて検討してまいりたいと考えております。
○富樫練三君 是非、法令を視野に入れてということでありますから、法整備を含めて早急に御検討をいただきたいと思います。
次に、今回の建築基準法の改正による特例容積率適用地区、この問題について伺います。